「祖母の危篤を知り、電車内で大号泣。涙と鼻水が止まらない私を見た、隣の席の男性が...」(福岡県・50代女性)
声を聞かなくても優しさや温もりを感じた
もう30年ほど前の出来事ですが、当時私は福岡市内で働いており、兄と一緒に住んでいました。
ある日、友達と飲んで夜9時過ぎに家に帰ると、兄から、
「何処に行っとったんか。ばあちゃんが倒れたらしい」
と聞かされて、私は一人で博多駅に走っていきました。
博多から新飯塚駅までの電車に飛び乗り、車内では止まらない涙と鼻水をどうする事も出来ずに泣いていました。
すると、私の隣に座っていた男性がポケットからハンカチを出して、何も言わずに渡してくれました。
知らない方のハンカチで、止まらない涙と鼻水を何度も拭きました。
私はおばあちゃんっ子で、祖母が大好きでした。
それなのに何もしてあげられてない。「今すぐ行くから待っててね......」と、頭の中はそれだけで、男性とのやり取りはジェスチャーのみです。声さえ聞いてません。周りで見ていた人は、私たちを家族だと思ったかもしれません。
男性は私より先に電車を降りるようで、手を出されたので、濡れたハンカチを返しました。泣いていた私は、そのまま下車していく彼にありがとうの一言も言えませんでした。
ハンカチをスッと出してくれたこと。汚れたまま返したこと。お互い言葉ないままのやり取りが忘れられません。
あの時はありがとうございました。そのまま返してごめんなさい。あなたの優しさや温もりを、声も聞いてないのに感じていました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したい。
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