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旅先いい話

「自転車旅の途中で、とてつもない空腹に襲われた。お金がないので近くの旅館で『残飯を分けて』と頼んだが...」(東京都・70代男性)

福田 週人

福田 週人

2021.08.09 18:00
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旅行をするときは、目的地までのルートの確認、宿泊先の手配など、しっかりと事前準備をすることが大切だ。

しかし、まだ気力も体力もあり余っている若いころには「行き当たりばったりでもなんとかなるだろう」と謎の自信が沸き起こってしまう場合も。

その結果、途中で道に迷ってしまう、お金がなくて食事もできなくなる、といったピンチに直面することもあるだろう。

コロナ禍でなかなか旅行に行けない今、かつての楽しい思い出を振り返ろうとJタウンネットが「旅先でのいい話」を募集したところ、東京都の70代男性U大さん(仮名)から、まさにそんなエピソードが寄せられた。

それは今から60年ほども昔、U大さんが高校一年生だった時のエピソードだ。

友人と二人で無茶な自転車旅を強行した末、彼は窮地に陥ってしまう。

そんな中、親切な旅館の人たちとの出会いがあった。

日は暮れて、周りにはコンビニなどもなく......

「初夏に仲の良い友人を誘って、2人で長野県の松本市から上田城を目指して、昼頃に出発しました。
所持金は当時で100円ほどしか持たず、下駄履きで、雨具や水筒も持たずでした。簡単な地図くらいは持っていたかも知れません」(U大さん)

しかし、途中の青木峠では、何十回も入り組んだ小尾根を通らなくてはならず、結局2人が上田城に着いたのは午後3時~4時ごろのことだった。

「城の見物は二の次となり、長い緩やかな上りの10キロメートル強の帰路を急いだ次第です。しかし、山道に差し掛かる青木村の田沢温泉に着いたのは、日も暮れた夜の8時頃でした。
当時、コンビニ等は全く無く、私たちは空腹に耐えられず、近くにあった旅館の厨房の灯りを頼りに、戸口を叩いていました」(U大さん)

幸いにも出てきてくれた宿の従業員に、U大さんたちは「残飯が有れば譲って欲しい」と頼んだ。

すると......。

長野の温泉地で体験した「旅先いい話」(画像はイメージ)
長野の温泉地で体験した「旅先いい話」(画像はイメージ)
「『自分達は松本市内の高校生です』と、素性や旅に出た経緯等を宿の人に話しましたら、台所に入れてくれて、残飯どころか私たちに夕飯を食べさせてくれました。
礼を言って出発しようとしましたら、びっくりした事に『泊まっていけ』とも言われました。泊まる金も無かったのですが、外は真っ暗な山道なので、ご厚意に甘えさせて頂きました。
今思うと、まるで竜宮城に行ったかの様でした」(U大さん)

U大さんたちは宿の厚意で温泉で汗を流させて貰い、客用のふかふかの布団で寝て、翌朝には朝食まで用意して貰い、無事に帰路に就くことができたそう。

行き当たりばったりの日帰り旅行から一転、図らずも一泊二日の温泉旅行になったというわけだ。

「この後、10数年後に就職してからは、当時のお礼も兼ねてこの旅館には家族で何回も宿泊させて貰いました。
ただ、当時の事を覚えておられる宿の方が1人もいらっしゃらない事は、残念でなりません」(U大さん)

「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!

コロナ禍で旅行に行きづらい今、せめて過去の旅行の素敵な思い出を振り返りたいという人も多いだろう。

そこでJタウンネットでは読者の皆様の「旅先のほっこりエピソード」を募集したい。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行に行った時期・場所、具体的なエピソード(どんなことにほっこりしたのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

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