「バーゲン争奪戦用」ってことはつまり...? うっかり使い方を間違えそうな「手提げホルダー」に反響
コロナ禍で密を避けるようになり、バーゲンセール会場で人がひしめきあう――そんな光景はなかなか見なくなった。
しかし、そんな私たちにバーゲンとは「戦い」であったことを思い出させてくれるアイテムが、ツイッターで注目を集めている。
これは2021年7月10日、ツイッターユーザーの「マイクローン(東映版)」(@gridman13)さんが
「コレも普段使いしようかな(笑)」
とコメントを添えて投稿した画像だ。
「バーゲン争奪戦用手提げホルダー」
と書かれ、本体には「まいどありがとうございます」の文字。
指にはめている様を見ると、打撃を強化するために使う「メリケンサック」にしか見えないのだが......どうやら、百貨店等で大きな商品を購入した際、梱包した紐やビニール袋をひっかけて持ちやすくするために使う「手提げホルダー」のようだ。
この投稿にツイッターでは
「かなりの武闘派とお見受けしましたが」
「護身用としても活用出来そうですなw」
「買い物とは常に戦場なのだ...」
「そこにかけても持つの痛そうなの笑う」
などと話題になっている。
「手提げホルダー」と「メリケンサック」を合体
Jタウンネット記者の取材に応じた投稿者「マイクローン(東映版)」さんによると、話題の手提げホルダーは、個人サークル「げんれい工房」から購入。
以前、造形メーカー「海洋堂」(大阪府)の主催する模型系イベント「ワンダーフェスティバル」で出会ったものだという。
今後の使い道については
「持ち歩けば軽犯罪法違反となりますので、今後も勿論使用する事無くウチで愛でるのみです」
とコメント。
記者は、販売元である「げんれい工房」にも取材し、制作者で工房長の山桂(やまかつ)さんに話を聞いた。
げんれい工房の公式ウェブサイトによれば、この「バーゲン争奪戦用手提げホルダー」は「手提げホルダー」と「メリケンサック」を合体させたオリジナルの製品。
レジンキャスト(樹脂の成型方法の一種)製のものが05年に、メタル製のものが10年に、それぞれれ「ワンダーフェスティバル」内で初めて販売された。
今回話題となったのは、メタル版。このユニークな作品は、どのようにして誕生したのだろうか。
「なんとなく似ているから...」
制作の経緯について、山桂さんは
「『ピコピコハンマーやハリセンの様な笑いの為だけに作られた平和的な武器を新たに創造したいなぁ』と言う漫然とした目標がありまして、その1つとして作った物です。
...と何かソレっぽい理由を言いたい所ですが、単に
『何となく似ているから混ぜた物を勢いで作ってみた』
と言うのが正直なところです」
と語る。
これは年2回ほど、模型系イベントに出展するために少量作っており、基本的には品切れであることが多いそう。
「自家鋳造なので作るのに手間がかかり、ワンダーフェスティバルなどで販売する為にイベント前に10個ぐらい作るのが限度です。
ワンフェスが年に2回開催なので、制作数は年間20個程度になりますが、昨今はコロナ禍の影響でワンフェスの開催も不確定になっておりますので次回の制作がいつになるかははっきりとした事は言えない状況です」(山桂さん)
10年越しに話題となった「バーゲン争奪戦用手提げホルダー」。
こういった反響に対し、山桂さんは
「作り始めてからかなり時間の経過した物なので、今回改めて取り上げて頂けた事に驚いておりますが、皆様に楽しんでいただけたなら幸いです」
とコメントした。
またこの作品について、山桂さんは「荷物を持つのに使える」とはしているものの、実際に所持していた状態で職務質問された場合は『アウト』になる可能性が高いともしており、「あくまでジョークグッズ」である、とも強調する。
実際のバーゲンセール会場で装備したくなる気持ちはどうかぐっとこらえて、山桂さんのセンスを鑑賞して楽しんでほしい。