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まるで宝探し? ウィキペディアに「なかったページ」を作るウィキペディアンの楽しさとは

福田 週人

福田 週人

2021.05.05 08:00
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ウィキペディアンの魅力とは

それにしても、一体どうやって「なかった記事」を探し出しているのだろうか。

Jタウンネット記者の質問に、海獺さんは「なかった記事を探すのは容易ではないので、『あるかな?』と思った語句をウィキペディア内で検索するしかありません」と答える。

現状では地道に探していくほかに、道はないようだ。

地道に検索(画像はイメージ)
地道に検索(画像はイメージ)

ウィキペディアに「なかった記事」を探して新しく作る──言葉にするのは簡単だが、実際にそれを実現させるのはかなり大変なようだ。よほどの情熱がなければできないことだろう。

改めて、ウィキペディアンの魅力について訊いてみると、海獺さんはこう語った。

「グーグルで検索しても、アジフライのルーツにはすぐにはたどり着けません。
検索サイトでの結果は、アフィリエイトやSEOなどの目的があるものやレシピサイトが上位に来ます。
そんななか、ウィキペディアにアジフライの記事ができることで、いろんな人が手軽に知識として楽しむことができる道筋が増えたと思います。
また、長崎県松浦市はアジフライの聖地宣言をしました。アジフライの記事ができることでその話題が記事に取り込まれ、地域の活性化に一役買うかもしれません。
もう一つの視点として、記事ができてから2週間ほどの間に25人のユーザーが85回も編集に携わりました。私が書いた初版はもはやたくさんの人に手を入れられて、そのままの形で残っているところはほとんどないです。おかげでウィキペディアの『新着記事』に選ばれ、トップページに4月11日の一日間、アジフライの記事のさわりが掲載され、目につきやすくなりアクセスもぐんと増えました」

多くの人が手軽に知識を得られる近道ができること。
記事の内容によっては地域の活性化にも繋がる可能性があること。
多くのユーザーによって編集された結果、記事自体に注目が集まること。

海獺さんは、この3つが「なかった記事が生まれる面白さ」であると述べた。

いつも皆さんが何気なく読んでいるウィキペディアの記事も、かつて世界のどこかにいるウィキペディアンたちが地道に探し出し、あらゆる角度から情報を集め、そうして苦労を重ねた末に生み出されたものなのかもしれない。

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