持ってるだけで楽しくなる「クソデカ受領印」が話題 制作者「脱はんこの流れを受けて...」
巨大なものを見ると、何だか元気が出る。
クレーン車、ぬいぐるみ、ビル、オムライス......。筆者は、どれをとっても巨大であればあるほどはしゃいでしまう。大は小を兼ねるとはよく言ったもので、実用的な面もさることながら、大きいものはそれだけで楽しいのだ。
そんな巨大なもの好きの心を躍らせる「クソデカ印鑑」がツイッターで注目を集めている。
2021年4月4日、「にーにといっしょ!」(まんがタイムきらら連載中)の作者である東京都在住の漫画家・よぱん男爵(@yopan_z)さんが投稿したのは、巨大なはんこの制作動画だ。
通常、はんこといえば手のひらサイズだが、今回制作されたのは「クソデカサイズ」の受領印。
なんと、350ミリリットルの缶よりも大きいのだ。
太さもなかなかのもので、何とも使いづらそうだが、それよりもその巨大さがおかしい。
これがもし誰かの会社のデスクに置かれていたら爆笑してしまいそうだ。
よぱん男爵さんは、動画の中でその巨大はんこが出来上がっていく行程を紹介している。
重大な「過ち」が......。
ところで、ツイートでよぱん男爵さんが言っている「過ち」とは何なのだろう......。
動画を見ると、大きな判子とガラナの缶を並べて大きさを比較した後に、制作の過程が流れ出す。まずは、コンピューター上でデザインしている場面だ。
デザインが終わると、実際にモノを作っていく過程に。大きな黒い筒に、どんどん文字が刻まれていく。
着々と制作されていく巨大はんこ。
もうすでに、よぱん男爵さんの「過ち」に気づいたという人もいるのではないだろうか。
そう、このはんこに、丸い朱肉でインクをつけて、実際に押してみると......。
印影の「受領」の字が左右反対になってしまっているのだ。
受の字はまだ分かりにくいが、領の字は誤魔化せない......。これは取り返しのつかない失敗だ。
この投稿に、ツイッターでは
「デカっ!」
「ち、ちゃんと朱肉より細いじゃん...」
「超欲しい」
というコメントや、字が反転してしまっている点に対し
「あるあるだなw」
「クッキー作るのには再利用できそう」
「良いオチw」
「削ればいける!!」
といった反応も寄せられている。
それにしても、よぱん男爵さんはどうしてこの巨大印鑑を作ろうと思ったのだろうか。
Jタウンネット記者は8日、本人を取材し、話を聞いた。
「脱はんこ」の流れを受けて制作
よぱん男爵さんは、クソデカ判子制作の経緯を、
「昨今の『脱はんこ』の流れもあり、印鑑が私たちの身の回りで使われる機会は今後さらに減るものだろうと考えています。
昭和時代の建築物のミニチュアが流行ったりとかありますよね。あんな感じで実用品としてのシェアが失われていく中、クソデカにして茶化したジョークグッズを作れば何か再発見もあり面白いかなと思い立ち、仕事明けで丁度時間もあり、勢いで試作してみることにしました」
と語った。
制作時間は、2時間ほど。仕事と趣味の兼用で仲間とやっている小さな工房の設備を使用したという。印鑑の材料は、仕事で余った熱可塑性プラスチックのポリアセタール樹脂。
15分ほどで製図等を終え、その後機械を使って「受領」の文字を削りだした。
「まず今回の制作ではクソデカ印鑑を実際に制作してみて、押印してみてどんな感じがするか?楽しいか?など検証することを主眼としてスピード感重視のプロトタイピングを行いました。
結果、十分にジョークグッズとして楽しめることが分かりました」
と、よぱん男爵さん。今回の制作を踏まえて
「今後、友人の名前を彫って本人に送りつけて遊んだり、せっかく面積が広いので図画を加えて表現の幅を広げたりしてクソデカ印鑑の可能性を追求しつつ楽しみたいと思っています。
もちろん左右反転は忘れずに、ですね(笑)」
としていた。自分の名前の入った「クソデカ印鑑」が送られてきたら、使いどころがなくても嬉しいだろうな......。
はんこ作りが趣味、または興味のある方はぜひ、真似して作ってみてはいかがだろうか。楽しい気持ちになれること、間違いなしだ。