地方移住すると、友達作りが大変そう? 「住みたい田舎」ナンバー1の愛媛・西条市なら、その心配はいりません
友達ができる機会が、いっぱい
近藤牧子さんが西条に移住してすぐのころ、幼稚園ですぐさま彼女に話しかけた一人が、石丸千晴さんだ。
愛知県出身の千晴さんは、移住歴5年。西条市内で、夫と共に居酒屋を営んでいる。
飲食店を運営する移住者ということで、市の移住推進課の担当者に櫻井さん夫婦を紹介してもらい、家族ぐるみで交流を続けているという。
千晴さん「うちの店『旬菜酒家 天手古舞(しゅんさいしゅか てんてこまい)』は和食メインの居酒屋で、お客さんはほぼ地元の人。オープンして2年で、最近、常連さんができてきました。
お店では愛知の名物も出していて、私が引っ越してきたと話すと、『そうなの?』って感じでお客さんと話が弾んだり。話のきっかけになることがありますね」
千晴さんは西条市に移住するまで愛知から出たことはなかったと言う。不安はなかったのだろうか。
千晴さん「不安は、めちゃくちゃありましたね......。
でも、主人が自宅に(ネイル&エステ)サロンを作ってくれて。収益を上げていくってよりは、お客さんが来店されて、友達ができていったらいいね、という感じで。そういう計画があったから、1人になるかもという不安が緩和されていた部分はあります」
そして最近は、自分からも交流の輪を広げようと動いているという。
運動のレッスンも主催し、そこに参加した友達が、さらにその友達を呼ぶ――そんな流れができていると話してくれた。
他にも、地区対抗のバレーボール大会や運動会など、地域の人たちと親睦を深める機会が豊富にある。
「リレーで足が速い人がいると、おじいちゃんおばあちゃんたちが特に盛り上がってくれる」「バレーボールはへたっぴな人どうしで仲良くなる」――行事のエピソードを話してくれる5人の表情は、とても温かかった。
同じ区画に住む人だけでなく、移住者どうし、ママ友どうし、お店を営む者どうし......さまざまなつながりをきっかけに、住民たちで関わりを深める場が、西条市にはたくさんある。そして移住推進課を中心に、西条市全体で積極的にその仕組みをサポートしているのだ。
最後に、いま移住を考えているが不安のある人に向けて、先輩たちからアドバイスをもらった。
明日香さん「旅行で訪れるのと、実際に住むのでは全然違うと思います。だから、実際に移住した人の話をたくさん聞いてほしいですね。
それから、移住に対して不安があるのは当たり前ですが、何か行動することで不安は消えていくと思います。なので、まずは何か行動に移してほしいですね」
明日香さんの力強い言葉に、「間違いない」と啓太さんも深くうなずいた。
記者も最初は地方移住に対して大きな不安があったが、話を聞いていくうちに、西条市にすぐなじんで暮らしを楽しむ自分がイメージできた。
今度は、実際に西条市を訪れてみたい。そんな気持ちがいっそう強くなる、温かい時間だった。
<企画編集・Jタウンネット>