佐賀県には銭湯がたった1軒しかないらしい
[めんたいワイド-福岡放送]2020年11月26日放送の「めんたいNEWS」のコーナーでは、11月26日の「いい風呂の日」にちなみ、佐賀県で唯一残る銭湯が紹介されました。
唐津市の住宅街の一角にある「恵びす湯」。大正時代から続く老舗で、佐賀県では唯一の銭湯なんです。
地域住民の「憩いの場」に
恵びす湯の女将・島崎洋子さん。島崎家に嫁いでから半世紀、夫の両親から引き継いだ番台に座り続けています。
お湯の温度は40~42度。長年の感覚だけでお湯の温度を確認します。
利用者の男性に話を聞くと、「1日が終わって夕飯前のホッとしたひととき」といい、気持ちよさそうにお湯に浸かっていました。ひとり暮らしの高齢者など、ここに来て仲間と話すのが楽しみという方もいるそうです。
1990年、佐賀県内に14件あった銭湯は時代とともに少しづつ姿を消し、今では恵びす湯ただ1軒になってしまいました。
入浴料は280円、洗髪料は50円、1996年から変わっていません。脱衣所にある飲料も昔はいろんな種類をおいていましたが、現在は日持ちのするラムネだけ置いているとのこと。
島崎さんが大事にしているものはやはりお客さん。常連客の高齢化や生活スタイルの変化で客足は減りつづけています。
今年はコロナの影響で観光客も減ってしまいましたが、「来てもらったら気持ちよく帰ってもらいたい、何かしてあげられることはしてあげたい。自分が元気なうちはできる限り続けたい」と島崎さんは話します。
レトロな雰囲気を残す恵びす湯は、地域の人の憩いの場所になっているんですね。一日でも長く利用者の心と体を温め続けてほしいと思います。
(ライター:穂積かな)