恐竜ホテルに恐竜ポスト、恐竜マンホールまで...! 福井県が完全に「日本のジュラシック・パーク」化していた
駅前広場から唸り声が聞こえて...
2020年9月下旬のことだ。
筆者は福井駅を目指すべく、実家からほど近い東京駅から東海道新幹線に乗って名古屋駅へと向かった。
そこから特急しらさぎに揺られること、約2時間。道中では、気持ちを高ぶらせるために映画「ジュラシック・パーク」を視聴。恐竜が現代にいたら、人間の天敵になるのだろうか...、なんてことを思っていると到着のアナウンスが流れた。
福井駅西口に降り立ち、駅前広場に目をやった。その時だった。
首の長ーい生物と、目があったのだ。
え...。木陰にカラダが隠れてしまっているが、首の長さからだけでも、相当な大きさだとわかる。
その全貌を確認すべく、筆者は、広場へ走った。
すると、「ゴゴゴ...ウォーッ」と低い唸り声が聞こえてきた。
おお、恐竜のモニュメントだ。説明書きによると、名前はフクイティタン。
隣には、フクイラプトル、フクイサウルスが向かいあって「ウォーッ」と威嚇声をあげていた。
3匹の恐竜とも白亜紀前期に生息し、それぞれ勝山市で化石が発掘されている。
こちらは「恐竜広場」と呼ばれ、観光スポットとしても人気のようだ。筆者が写真を撮っている最中も、親子連れがモニュメントをバックに記念撮影していた。
9時から21時まで30分おきに、音が出る仕組みだ。体も動くため、リアリティ溢れる姿を間近で見ることができる。また足元には、恐竜の足跡の複製が設置されている。大きさは実物大で、子供が自分の足と比べていた。
渋谷ハチ公前に待ち合わせする感覚で、福井県民は恐竜のモニュメントに集合するのだろうか。そう思った、筆者だった。
とにもかくにも、福井は駅周辺だけでも恐竜づくしである。
たとえば駅舎の壁面の一部には、恐竜たちが飛び出すように見えるトリックアートが描かれている。
そういえば特急しらさぎを降り、改札を出ようとしたときも、ベンチに座った恐竜を発見していた。
とまあ、このように福井県に足を踏み入れるやいなや、恐竜たちから洗礼を浴びせられるのだ。
ところで気になるのは、先程恐竜広場にて出会った「フクイ」と冠する恐竜たちの化石が、いずれも勝山市で出土しているということである。勝山市といえば、恐竜博物館がある場所だ。
そもそも、なぜ福井県は「恐竜王国」になったのか。気になった筆者は恐竜博物館へ向かった。