北海道のきびだん「ボ」...? 河野大臣が貰ったお土産に注目集まる→どんなお菓子か、メーカーに聞いてみた
北海道の「きびだんご」は「起備団合」
「きびだんボ」の正体を探るべく、Jタウンネットは9月2日、同商品の製造・販売を手掛ける谷田製菓(北海道・栗山町)を取材した。
谷田製菓は1913年(大正2年)創業の老舗会社。取材に応じた営業担当者によれば、「きびだんボ」は23年(大正12年)に誕生した。
担当者によれば、「きびだんボ」の読み方は「きびだんぼ」ではなく、「きびだんご」。実は、最後の文字はカタカナの「ボ」ではなかったのだ。
「昔の『古』という漢字を平仮名にすると『こ』になります。昔はそれ(古の変体仮名)に濁点を付けて『ご』と表していたようです」(営業担当者)
補足すると、漢字の「古」(読み:こ)から派生した変体仮名はカタカナの「ホ」に似た形をしている。そのため商品名の読み方は「ご」でもパッケージでの表記は「ボ」のような形となっているというわけだ。ちなみに同店のウェブサイト上では「きびだんご」と表記されている。
しかし、そもそもなぜ北海道で「きびだんボ」(便宜上「ボ」表記、以下同)なのか。河野氏に同商品をプレゼントした山本氏も、自身のツイートで「知らなかった」と驚いたように投稿しているが...。
営業担当者は商品誕生の経緯を次のように話している。
「大正12年に関東大震災があり、その復興を願って作りました。また当時は北海道の開拓が進んでいたことから、『起きることに備えて団結して助け合おう』という意味を込めて『起備団合(きびだんボ)』と名付けました」
パッケージに桃太郎のイラストを載せているのは、商品名を付けた際に偶然近くにあったからだとか。
また、営業担当者はこんなエピソードも明かす。
「第二次世界大戦中は、軍隊に『きびだんボ』を卸していたと聞いています。そのため軍人さんが食べていたと思われます」
「きびだんボ」の原料には、もち米、生あん、砂糖、麦芽水飴を使用。腹持ちが良いとのことなので、腹ごしらえには最適だったのかもしれない。