5Gで伝わるカープ選手の息づかい 広島から始まる新しいスポーツ観戦の形
提供元:広島県
4社が得意・不得意を補い合って実現したプロジェクト
これらの視聴方式が、なぜ5Gによって可能になるのか。
NTTドコモ中国支社のICTビジネス推進担当・山根菜緒子さんはこう説明する。
「5Gの高速通信だからこそ、6台のカメラから映像を一斉に取得することや、会場内の音声を遠隔でも高速に取得することができます。
さらに、(低遅延・多数接続という5Gの特徴によって)配信側は高精細映像をリアルタイムで配信することができ、マルチアングルでは、多くの観客が同時多接続したとしても対応が可能です」

「ひろしまサンドボックス」では、今回の5Gのような、まだ実用化されていない最新のテクノロジーを活用したチャレンジを支援している。
カープ戦のライブビューイングは、NTTドコモの先進技術を活用して広島発ソリューションの創出を目指す「PITCH TRIAL」として行われた事業だ。
「PITCH TRIAL」のコンペティションには計6社が応募したが、その中で博報堂DYメディアパートナーズが提案したのが、5Gを利用して実際にスポーツ観戦に行かなくてもリアルに臨場感を感じられるサービスを構築しようとする「Neo Viewing事業」。
この提案の新規性や地域性などが評価され、最優秀賞として広島県からの支援対象として選定された。
実証実験では、NTTドコモと博報堂DYメディアパートナーズだけでなく、地元放送局である中国放送、優れた音響技術を有するヤマハの4社がコンソーシアムを組み、それぞれの得意分野で力を発揮することによって、5Gを使用したライブビューイングが実現した。
山根さんはコンソーシアムでは他社との合意形成に難しさを感じたとしつつ、
「(他社と共同でプロジェクトを行うことで)それぞれの得意不得意を補える。
近頃は求められるサービスのすべてを一社で賄えることは少ない。コンソーシアム型の開発ができることは大変ありがたい」
と述べた。