乗客が少ないと飛行機が傾くって本当? 航空会社に聞いてみた
人が少なくても大丈夫だけど...
2社の日本の航空会社に取材を試みたが、うち1社の広報担当者は、話題になったツイートを確認した上、「当社ではこのような発言はしておりません」とのこと。乗客が少ないことが理由で機体が傾く可能性があるのかについては
「どうなんですかね...機体メーカーさんの方がわかると思うんですけど」
とのことで、見解を聞くことはできなかった。
もう1社の広報担当者は、「機体が軽いため、上昇の際に機体が傾く可能性があります」といったアナウンスをしている事実はないと話す。
「弊社の社員では勝手なアナウンスは禁止していますし、他社さんでもあまり軽はずみにこういうアナウンスなさらないと思うんですけど...。他社のことはわかりかねますが」
また、乗客が少ないために機体が傾く可能性については「基本的にありません」。
「飛行機は常にバランスを必ず保って運航します。
それはどの航空会社でも、どの大きさの飛行機でもそうです」
飛行機の離陸の前には必ず、機体の重さと重心を計算する「ウェイト・アンド・バランス」という作業が行われるのだと担当者は話す。
「飛行機のどの座席にお客様が座るかと、貨物室にどれくらいの荷物が入っているかで、飛行機の重さを計算できます。チェックインの段階で計算して、チェックインした人が1人でも降りる場合は、そこの人の分をマイナスします」
重心も荷物の量や場所、乗客の人数や座席をもとに計算しているため、乗客が勝手に席を移動すると計算がズレてしまうそう。
「自分が最後だろうし、空いてるところどこに座ってもいいよね」と勝手に席を移る乗客もいるそうだが、ウェイト・アンド・バランスは予約時の座席で計算されているため、「もともとの席にお座りください」など注意がなされるそうだ。
「多分動こうと思う方は、空席が多いときに動こうと思います。元々満席だと動けないので。たまたまこういう(乗客が少ない)タイミングで動こうと思って注意されて、『軽いとダメなんだよね』と思われることはあるかもしれません」
とのこと。
ちなみに、乗客が勝手に移動してしまった場合は、機体の重心のバランスが保てなくなる可能性がある。大型機よりも小型機やプロペラ機など小さめの飛行機の方が影響を受けやすいそうで、外資系の航空会社では「一席も動かないでください」とアナウンスされることもあるという。
みなさん、飛行機に乗るときは、ちゃんと自分の座席に座りましょう。