貯金しないとカレンダーが進まない 100年前のアイデア商品「帝國安心貯金箱」がよくできてる
現在も動く
Jタウンネット編集部が6日、メラーノさんにこの貯金機の詳細を尋ねると、自主製作映画を作るための資料収集の中で手に入れたもののひとつだと教えてくれた。
現在も動くようで、写真の日付はメラーノさん自身が変えたものだという。
「硬貨を入れなくても細い棒があれば中のスイッチを押すことが可能なので、私はスイッチを押して日付を替えました」(メラーノさん)
硬貨を使って日付を変える場合は、貯金機下部のプレートに「一日五銭ガ安心ヲ生ム」(メラーノさんによると、当時は左読みと右読みが混在していたそうだ)と書かれている通り、少なくとも1日5銭は貯金しないとカレンダーとして使用できない仕組みになっているらしい。
貯金機の一番右の「5」と書かれた穴に5銭を入れると日付の一の位が進む。同様に、十の位を進めたいときは「10」の穴に10銭、月を進めたいときは「50」の穴に50銭を入れるというものだ。「自由」の穴はカレンダーを進めずに貯金をするための穴だろう。
今年の2月ならば、1月31日から2月1日に変更するために「50」と「10」に1枚ずつ硬貨を入れ、その後、10日と20日は「10」と「5」に1枚ずつ、その他の日は「5」に1枚ずつ入れるので、合計2円20銭が貯金できる計算になる。
メラーノさんによると、本体の底に開閉式の取り出し口があり、写真に映っている鍵を使って入れた小銭を取り出せるそうだ。