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貯金しないとカレンダーが進まない 100年前のアイデア商品「帝國安心貯金箱」がよくできてる

横田 絢

横田 絢

2020.02.16 20:00
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貯金箱にお金を貯めようと思っても、「自販機でジュース買うしな」とか「紙幣だけだとなにかと困るよな...」とか自分に言い訳して、なかなかうまくいかない。

そんな意志の弱い人に向けた貯金箱が、100年近く前から存在していた。1926年に作られたという「帝国安心貯金機」だ。

写真はメラーノ(@samuhara)さんのツイートより
写真はメラーノ(@samuhara)さんのツイートより

この貯金箱には、硬貨を入れる穴が4つ開いている。左から「50」「自由」「10」「5」。そしてその下に三つの窓があり、一番広い窓には「2月」、小さい窓の片方には「2」と書かれている。

自主制作戦争映画を制作している「歴史映像研究会竹の会」代表のメラーノ(@samuhara)さんが2020年2月3日、

「小銭を入れるとカレンダーの日付が変わるという凝った作りで、毎月決まった額を入れないとカレンダーの日付が合いません笑」

というコメントと共にツイッターにこの貯金箱の写真を投稿すると、

「アナログ式定期貯金!」
「正直このようなの復刻してほしい」
「現代の硬貨に合わせて誰か作ってくれないかな」

といった反応が寄せられた。この貯金機なら貯金できる!と思ったユーザーも少なくないようだ。

現在も動く

Jタウンネット編集部が6日、メラーノさんにこの貯金機の詳細を尋ねると、自主製作映画を作るための資料収集の中で手に入れたもののひとつだと教えてくれた。

現在も動くようで、写真の日付はメラーノさん自身が変えたものだという。

「硬貨を入れなくても細い棒があれば中のスイッチを押すことが可能なので、私はスイッチを押して日付を替えました」(メラーノさん)

硬貨を使って日付を変える場合は、貯金機下部のプレートに「一日五銭ガ安心ヲ生ム」(メラーノさんによると、当時は左読みと右読みが混在していたそうだ)と書かれている通り、少なくとも1日5銭は貯金しないとカレンダーとして使用できない仕組みになっているらしい。

貯金機の一番右の「5」と書かれた穴に5銭を入れると日付の一の位が進む。同様に、十の位を進めたいときは「10」の穴に10銭、月を進めたいときは「50」の穴に50銭を入れるというものだ。「自由」の穴はカレンダーを進めずに貯金をするための穴だろう。

今年の2月ならば、1月31日から2月1日に変更するために「50」と「10」に1枚ずつ硬貨を入れ、その後、10日と20日は「10」と「5」に1枚ずつ、その他の日は「5」に1枚ずつ入れるので、合計2円20銭が貯金できる計算になる。

メラーノさんによると、本体の底に開閉式の取り出し口があり、写真に映っている鍵を使って入れた小銭を取り出せるそうだ。

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