青色に輝く「蝶のステンドグラス」 日本最古の昆虫博物館に、美しすぎる標本展示があった
2019.06.27 06:00
創設者はギフチョウを発見した名和靖
歴史ある博物館ならではのエピソードもある。
博物館の創設者・名和靖はギフチョウの発見で知られる。展示の9割は海外の昆虫だというが、博物館のシンボルでもあるギフチョウは1階にコーナーを設けてある。
元々は名和昆虫研究所の付属施設として建てられ、害虫などを展示していた。名和靖のシロアリ研究の一環として、シロアリ被害の古材保存を兼ねて1919年に竣工。近代日本を代表する建築家・武田五一が設計し、岐阜県第一号の登録有形文化財(文化庁)に登録されている。1945年ごろから、現在のような一般的な展示にシフトしていったという。
建築物としても見どころがある名和昆虫博物館。「ムシキング」がブームになった2003~05頃は年間約5万人が訪れたというが、最近は2万3000~4000人が訪れ、リピーターも多いという。中には「60年前に来たよ」と声をかけてくれる来訪者もいるようだ。
100年目を迎えて何か特別なことをするのか聞いてみたが、「細く長く」続けていくことを考えて特に何も考えていないとのことで、現在は色あせた展示の入れ替えなどに専念しているという。
「ものすごい珍しいものはそんなに展示してませんが、魅力を持っているものは展示しているつもりです。珍しくなくても、美しいものなら見てほしい」
名和館長は博物館の魅力をこう話している。