山口県との県境に位置する島根・津和野町。殿町通りや津和野城址など観光スポットが数多く存在し、観光客も多く訪れる。 津和野駅名標 しかし、そんな津和野町はとある悩みを抱えている。それは、「町外の人から島根県ではなく、山口県と勘違いされる」というものだ。県境とはいえ、なぜそのような間違いが起こってしまうのか。 切っても切れない関係 2019年3月11日、津和野町観光協会の公式ツイッターアカウントが、「激おこ!!笑」とつぶやく事件(?)があった。これは、とある一般ユーザーが、山口の特徴を紹介するツイートの中で、 「津和野も山口です」 とネタにしたことへの反応だ。「激おこ」とコミカルに反応した観光協会に、このユーザーが山口県への編入を勧めると、 「ありがたいお話ですが、両方に所属する形が良いのではないかと思ってます!(八方美人)」 と返信。まんざらでもない様子だ。 しかし、県境の町とはいえ隣県と間違われてしまうのは、ちょっと過剰な気もする。 山陰の小京都と呼ばれる津和野町。城下町時代の古いたたずまいを残す殿町通りや津和野城址のほかに、約1000本の鳥居がトンネルを作る太皷谷稲成神社やキリシタン殉教の地として知られる乙女峠マリア聖堂など観光名所が数多くある。 津和野町の風景(2018年11月、J-CASTニュース撮影) さらに74年公開の映画「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」では寅さんと吉永小百合さん演じる歌子が再開を果たすのが津和野町だ。 観光に映画のロケ――町のブランド力は十二分に高い。それだけに謎が深まる。 2019年3月12日、Jタウンネット編集部は津和野町観光協会の担当者に話を聞いた。 間違われる心あたりがないかを聞くと、 「萩市と一緒に紹介されることが多いです」 とコメント。また、現地の観光窓口に来て初めて島根県と気づいた観光客もいるという。 現地に行ってから気づかれるレベルとなると相当なもの。より詳しい話を聞くために12日、津和野町の商工観光課の担当者にも話を聞いた。 「昭和40年から50年ごろに観光ブームがありまして、その時に萩・津和野とセットで紹介されていました」 実はこのセット、過去の話だけではない。島根県観光連盟公式サイト「しまね観光ナビ」では「萩・津和野 城下町をめぐる時旅」として紹介。旅行サイトでも「萩・津和野」がセットになっている。観光名所が多い津和野だが長州藩の本拠地として有名な萩市と組めば無敵だ。 生活も山口 また、こうした観光でのつながりは歴史的なものだけに留まらない。 「SLやまぐち号の終点も津和野駅です」 新山口駅から走るSLやまぐち号も名前に反して終点が津和野駅。ややこしい。 18年11月に実際に津和野へ観光に行ったJ-CASTニュースのK記者も間違われる理由にSLやまぐち号を挙げていた。 山口県内で撮影されたSLやまぐち号(18年11月、J-CASTニュース撮影) 山口県との関係はこれだけに終わらない。取材を進めている中で観光を以外の関りがないかを聞くと、 「生活圏として山口とつながりがあります」 と回答。隣接する山口市への通勤や買い物など生活でも強いつながりがある。 この話を知ってしまうと島根県の津和野町ではなく「山口県津和野町」に思えてくる。 「切っても切れない」 生活に観光、県を跨いだ関係をこう表わした。 ここまで来ると山口県への編入の噂もあったのではないか。 「噂ですがそういう話が」 冗談交じりで聞いたが、噂でもそういったことが出てきてしまうのだろう。 島根にいながら気分は山口。不思議な気分が味わえる津和野に一度は行ってみたい。