石垣だけの城址が、「日本の城」トップ5入り! 大分・岡城の魅力を探る
2018.09.03 11:00
「荒城の月」のモデルとなった歴史と、壮大な景観
岡城の歴史は、1185年に緒方惟栄(これよし)によりこの地に築かれた山城に遡るという。現在の遺構は、1594年から中川秀成(ひでしげ)により築かれたもので、以後江戸時代を通じて中川氏の居城として栄えたが、1871年の廃城令でほとんどの建物が取り壊され、石垣だけが残っている。
そして明治時代には作曲家の滝廉太郎が竹田で少年時代を過ごし、この城に着想を得て名曲「荒城の月」を作曲したといわれており、竹田市内には滝廉太郎記念館もあるという、長い歴史に彩られた城だ。
話をランキングに戻すと、これはトリップアドバイザーに寄せられた旅行者の口コミをもとに順位付けがされたもの。実際に現地を訪れた人のリアルな評価が反映されているが、
「堅牢な石垣が西洋の城塞のよう」
「紅葉と石垣が調和した絶景がすばらしい」
といった口コミが国内外を問わず目立つ。山城である岡城からは遠く阿蘇山や、くじゅう連山 までも望むことができ、石垣の上の木々は桜に紅葉と、四季折々の景観をみせてくれて、「インスタ映え」すること請け合いで、旅行者の満足度の高さもうなずける。
約100年前、滝廉太郎が「荒城の月」で昔日の繁栄に思いをはせた岡城。今、その武骨なたたずまいと雄大な景観に魅了され、ふたたび人々が集まっているようだ。