「高校の修学旅行」本当に四国が多いのか、改めて検証してみた
確かに松山への修学旅行は増えている
では、なぜ四国への票が集中したのか。調査結果に差異が出る要因としては、以下のような可能性が考えられる。
1)調査母体に偏りがある
2)四国への修学旅行が定番だった時代がある
3)四国に投票するような働きかけがあった
ひとまず、1つ1つの可能性をしらみつぶしに考えていくしかない。
1)について、Jタウンネットでは読者がアクセスした地域を元に、投票フォームを出しわけているため、読者の多い地域(とくに関東)からの票数が著しく多くなる傾向にある。なお、あくまでサイトを訪れた読者が対象で、統計学に基づいた調査のように、投票者の年齢・出身地・居住地などをもとに抽出したサンプルではない。
2)については、先の青木さんに加えて、愛媛県松山市の産業経済部観光・国際交流課の担当者に取材したところ、
「10年前に比べて学校数は増えていますね。東海・中部方面から修学旅行にいらっしゃる学校が多いです」
と説明してくれた。松山市が誘致した修学旅行学校数(小学校から高校まで)は06年で4校だったところ、17年には64校にまで増加したという。あくまで大学を除いた「学校」のくくりではあるものの、最近になって数が増えている傾向にあるようだ。ということは、かつて定番の修学旅行先だった時代がある......というのも考えにくく、定番になるにしてもこれから、というところなのだろうか。
3)については、弊社のシステム担当者に「何か異常なアクセスなどは無いか」と調べてもらったが、「特段疑わしいのはなさそうでした」との返答が。各県から「四国」にそれぞれ8~15票ずつ入り、総計で588票となったのは「真っ当な数値ではないか」との見解だった。なお、同じIPアドレスからの大量投票は、システム側で制御されている。