岡山の赤字バス31路線廃止届取り下げ 「問題提起の意義はあった」「火種はくすぶってる感じ」
2018.03.15 22:00
他社参入の認可取り消しにも取り組む、と明言
両備では、利用者の多い岡山市中心部の黒字路線の利益で、赤字路線の損失を補てんしていた。ところが、100円バス「めぐりん」を運行している八晃(はっこう)運輸が規制緩和を利用して黒字路線への参入を申請し、国土交通省の中国運輸局も認可した。
これに反発した両備は2018年2月8日、赤字バス31路線の廃止届を出したと発表し、利用者らに動揺が広がった。
両備が3月15日にホームページに掲載した経緯説明によると、両備の問題提起に対し、石井啓一国交相が廃止届提出の5日後には、公共交通政策の見直しをする考えを示した。また、この問題で地域公共交通活性化再生法に基づく岡山市の法定協議会などが設置されることになり、関連4市の市長も問題解決に前向きな姿勢を見せた。さらに、新年度に入る4月の前には何とかしたかったこともあり、3月14日に取り下げを行った。
ただ、八晃運輸への認可取り消しに向け、今後も取り組むとも明言した。情報公開を求め、行政不服申し立てをしても理解されなかった場合、裁判にまで持ち込むとしている。