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埼玉・川越に「巨大ハシビロコウ」あらわる! なぜ作ろうと思ったのか、詳しく聞いてみた

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2017.05.04 17:00
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「動かない鳥」の異名を持つ怪鳥「ハシビロコウ」が街中に出現し、文字通り「動かない」まま鎮座している。その全長はヒトの背丈を軽々と上回り、まるで形態変化でもしたのかと疑いたくなる大きさだ。

アニメ「けものフレンズ」で人気者となったのをいいことに、人間の生活環境に足を踏み入れ始めたのか――。

公(@o8ke3)さんのツイッターより(一部、Jタウンネット編集部で加工)
公(@o8ke3)さんのツイッターより(一部、Jタウンネット編集部で加工)

そんな事実はもちろん、あるはずもない。これは、発泡スチロールのみで作られた芸術作品。「動かない」のではない、「動けない」のだ。

Jタウンネット記者は2017年4月29日、ツイッターで「公」さんのツイートを読み、この「ハシビロコウ」について取材を開始した。

「10~15分くらいピクリともせず......」

「ハシビロコウ」の場所は、埼玉県川越市の商店街「菓子屋横丁」の近辺だった。同市在住で、発泡スチロールの立体制作のプロとして活躍するヤジマキミオさんが制作した。

公(@o8ke3)さんのツイッターより
公(@o8ke3)さんのツイッターより

記者は2017年5月1日、ヤジマさんに電話で詳しい話を聞いた。

ヤジマさんは、1955年生まれの62歳。高校卒業後はずっと、川越市役所で勤務していた。1990年頃に東京・浅草のサンバチームでリオのカーニバルの映像を見た際、初めて発泡スチロールの立体作品を目にする。見様見真似で作り始めて10数年、2009年に市役所を早期退職し、発泡スチロールで立体作品を制作するプロとして活動するようになった。

プロ転向直後、1年間で10の立体作品を制作し、個展を開いた。菓子屋横丁に住んでいた学生時代の友人にその時、「菓子屋横丁に作品を貸してくれないか」と声をかけられたという。現在はハシビロコウとパンダ、カメレオン、ペンギンなど、計7作品が展示されている。

ヤジマキミオさんの制作した作品の数々
ヤジマキミオさんの制作した作品の数々

ところでなぜ、ハシビロコウを制作しようと思ったのか。ヤジマさんにたずねると、2011年に上野動物園へ行ったのがきっかけだったという。

「日本にカバが来てから100年となるのを記念して『河馬(カバ)博覧会』が開かれるということで、カバの実物を見に行ったのです。『ハシビロコウ』が動物園の端っこの方で、10~15分くらいピクリともせず、こちらを見ていました。これは作品にしたら良いのではないか、と思ったのです」

これまでに制作した作品数は、100を超える。最後にこの芸術の醍醐味を聞いてみた。

「私は元々、絵が好きでしたが、美術関係の大学を出たわけではありません。その気になれば、誰でも作れるのではないでしょうか。動物が好きなので、大きな作品を作って、皆さんの喜ぶ顔を見られるのがうれしいのです」
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