冷めてもサクサクの衣は唯一無二! 宮城県仙台市の「天ぷらパン」
2017.05.02 06:00
■天ぷらパンの誕生、そして受け継がれる思い
天ぷらパンはどのように誕生したのでしょうか?
加藤さん「天ぷらパンは今から50年前に、地元にある老舗のパン屋『千成屋』の創業当初に、その当時の店主が生み出しました。ふとした思いつきからパンを天ぷらのように揚げたことがきっかけだそうです。パンを揚げるというアイデアは、時間がたって硬くなってしまったパンを揚げることでおいしさをとり戻した先人の知恵によるものだと聞いています。そして、千成屋の店主が高齢のためにパン作りを引退する際、私が施設長を務めている障害福祉センター事業所『ビッグママ』がパン屋を受け継ぐことになりました。ここでは、パン職人による教えのもと、ビッグママを利用する障がいを抱えた人々がパン作りをしています。私はパン作りで彼らの社会的成長を支援していきたいと考えています」
千成屋のチャレンジ精神と食べ物を大切にする気持ちから生まれた「天ぷらパン」。誕生から50年たった今でも受け継がれているのは、加藤さんが福祉支援の一環としてパン作りを取り入れたいという思いがあったからなんですね。