"ちいたんたん"まで食べて初めて完食! 盛岡三大麺「じゃじゃ麺」
■中華料理が盛岡で独自の進化
じゃじゃ麺の考案者は、白龍の創業者である初代・高階貴勝さん。そのルーツは中国の家庭料理「炸醤麺」にあるそうです。
佐々木さん「初代は戦争中に満州に移住していました。そこで食べた炸醤麺の味が忘れられなかったのか、戦争から引き上げた後に屋台として創業した白龍で盛岡の人の口に合うようにアレンジして作ってみたらしいんです。それが1953年ごろの出来事ですね」
炸醤麺はジャージャー麺の元にもなった料理。ルーツは同じですが、独特の麺の作り方などからじゃじゃ麺はオリジナルの炸醤麺により近い料理といわれています。一方で、シメのちいたんたんは、中国にはない料理だそう。
佐々木さん「ちいたんたんは初代が体調の悪いときなどに、自分だけで飲んでいたものみたいなんです。温かいので、おなかが落ち着いたんでしょうね。それを見た常連さんに飲ませてくれとお願いされて、メニューに入れたらしいです。今ではじゃじゃ麺を食べるほとんどの方が飲んでいきます」
こうして誕生したじゃじゃ麺は半世紀以上も地元で愛され、いつしか盛岡三大麺と呼ばれるようになったのです。
佐々木さん「盛岡三大麺のなかで、地元でよく食べられるのは盛岡冷麺かじゃじゃ麺だと思います。特にじゃじゃ麺は地元に密着している気がしますね。近くの県庁や消防署の職員さん、学校帰りの学生さんをはじめ、さまざまな方が食べにきてくれます」
自分の味を持っているという常連客は、今日もさまざまな調味料で好みの一杯を作り上げていきます。では、初めての人はどうすれば?
佐々木さん「似たような料理がないので、初めてのお客さんにはできるだけ食べ方を教えて差し上げています。メニューにも書いてあるので心配はいりません。最初は未体験の味に驚くかもしれませんが、食べるうちに魅力がわかってくると思いますよ」
盛岡市内には、専門店から大衆食堂までじゃじゃ麺を提供する店が何十店舗もあります。各店舗が特にこだわるのは、味の要である肉みそ。複数のみそをブレンドしたり、肉をあらびきにしたり、それぞれの店が自慢の味を提供しています。盛岡を観光する機会があれば、白龍をはじめいろいろな店を食べ歩くのも楽しいですよ!
店舗情報
● 白龍 分店
住所:岩手県盛岡市内丸5-14
電話:非公開(問い合わせは本店へ)
営業時間: 9:00〜15:00(LO14:30、日曜休)
● 白龍 本店
住所:岩手県盛岡市内丸5-15
電話:019-624-2247
営業時間: 月〜土11:30〜21:00(LO20:40)、日11:30〜19:00(LO18:40)
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。
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