"ちいたんたん"まで食べて初めて完食! 盛岡三大麺「じゃじゃ麺」
■調味料で“自分の味”に仕上げる!
白龍は分店と本店が一軒挟んで隣り合わせに並んでいます。分店は朝から昼まで、本店は昼から夜までと時間をずらして営業し、どちらの店でも同じ味のじゃじゃ麺を楽しむことができます。
案内してくれたのは、店長の佐々木直美さん。聞くところによると、じゃじゃ麺をおいしくいただくには、食べ方の手順があるのだとか。まずは、注文してみましょう!
少し深さのある平皿に盛られた熱々の白い麺。その上にきゅうり、ねぎ、そして自家製の肉みそがたっぷりとのっています。黄と赤の薬味は、おろししょうがと紅しょうが。スープやタレはかかっていませんし、一見さんだと食べ方に迷ってしまいそう。さて、どう食べるのが正解なのでしょう?
佐々木さん「麺とみそをよく混ぜるんです。まずはそれで召し上がってください」
麺量は真ん中のサイズの中盛で400グラムと大ボリューム。下から上に返すように思い切りよく混ぜると、肉みそが麺の熱でやわらかくなり、ちょうどいい具合に全体に絡んでくれました。
麺はうどんに似ていますが、平打ちで独特の食感があります。肉みその香ばしさを感じながら一口食べると、甘みとコクがじわりと舌の上に広がります!
佐々木さん「肉みそには仙台みそを使っています。作り方は企業秘密ですが、創業時からの味をずっと守り続けています。季節によって異なる湿度や具材の水分量を見極めて、火加減を変えながら作るのが大変ですね」
しかし、じゃじゃ麺はここからが本番。使用するのは各テーブルやカウンターに備え付けてある調味料です。
佐々木さん「酢、ラー油、にんにく、しょうがを加えてかき混ぜてください。量はお好みで結構ですよ」
調味料を入れたことで味は劇的に変化。ピリッとしたラー油が、肉みそとマッチして甘辛に。にんにくとしょうがを入れたことでスタミナ感が出て、酢が全体をさっぱりと引き締めてくれます。周りでじゃじゃ麺を食べる常連客を見やると、全員が思い思いの調味料を入れていました。
佐々木さん「常連さんはみんな自分の味を持っているんですよ。二回か、三回くらい食べると、ちょうどいい調味料の分量がわかってくるんですね」
調味料で味に深みが出たじゃじゃ麺。このまま一気に平らげてしまいそうになりますが、少しだけ麺を残しておくことをおすすめします。実は、じゃじゃ麺にはまだ続きがあるのです。各席に備え付けの生卵を平皿に割り入れて溶きほぐしたら、カウンターに平皿を出して「ちいたんたん」を注文してみましょう。
このちいたんたんこそ、じゃじゃ麺のシメとなる卵スープ。麺のゆで汁を溶き卵にかけ、薬味のねぎ、肉みそを入れたもので、残しておいた麺は具の役割をしてくれます。肉みその甘みと卵のとろみが一体となった、温かくてやさしい味わいです。
佐々木さん「じゃじゃ麺は、ちいたんたんも食べて初めて完食したことになると思います。食べたことのない方は小盛(麺量300グラム)で様子を見ながら、ぜひちいたんたんまで味わってみてください」
ちいたんたんも塩やこしょう、ラー油、一味とうがらしなどの調味料を好みで加えてもおいしいそうですよ。自分好みの味を探してみましょう!