見ず知らずのアメリカ人写真家を、虎ノ門から六本木まで道案内した話
「リスペクト」しながら、タバコをもらう方法とは?

24時間営業の居酒屋へ入って、カンパーイ。おごられてばかりは悪いので、「枝豆」と「冷奴」を持つことにした。ほどなく2杯目へ。仕事に影響が出るのではと心配されたが、「This is my work!(これが僕の仕事だよ!)」と返して、ワッハッハと豪快に笑い合った。楽しい。

入店から30分。どうやらルイスさん、タバコを吸いたくなったらしい。何度も口にする「シガレット」と「リスペクト」を手掛かりに、
「相手を尊敬しながら、たばこを1本もらうには、どう言えばいいのか?」
と聞いているのだと推測した。そうか、吸いたいけど、持ってないのか。

日本語だと「たばこ、もらえますか?」だよ。発音に難儀する彼に、「morae-masuka」とスペルを教えてあげると、彼はツカツカと店の奥へと向かった。奥の席には4人の紳士。メモを片手に、身ぶり手ぶりで交渉し、なんなくタバコを手に入れた。
