10分で打てるこねないうどん 埼玉県ときがわ町の「一膳取り もろやま華うどん」
■月に2日だけ食べられるこねないうどん!
菜の花茶論は2007年に開業したカフェ。普段はじっくりと熟成・乾燥させたエイジングコーヒーで知られるコクテール堂の豆にこだわったコーヒーを堪能できるカフェですが、毎月第一・二土曜日の「華うどんの日」限定でもろやま華うどんを提供しています。
店を案内してくれたのは、もろやま華うどんの生みの親、新井康之さん。菜の花茶論の店長のご主人で普段は店に立ちませんが、月に2日だけ奥さんのカフェでもろやま華うどんをふるまっているそうです。早速注文をしつつ、話を伺ってみました。もろやま華うどんとは、ずばりどんなうどんなのでしょう?
新井さん「一言で言えば、まったくこねないうどんです。小麦粉をこねないことによって、小麦の本当の味を生かしたまま、短時間で作ることができるんです」
うどん作りには、生地を台の上でこねる「こね」と、生地を休ませる「ねかし」いうセットの工程があります。伝統的な製法ではこれを2回ほど繰り返すことでうどんにコシを出すのですが、新井さんはあえて省いたそう。どんなうどんに仕上がるのでしょうか?
しばらくして運ばれてきたのは、もろやま華うどんの盛りと熱々のコーヒーのセット。少し不思議ながら、カフェらしさを感じさせる組み合わせです。薬味とめんつゆでシンプルにいただくようですね。
盛られた山に箸を入れると、へたることなくスッと持ち上がりました。めんつゆを少しつけて一口。すると歯でかみしめた瞬間に、ぐっと押し返すような食感が! ほど良いやわらかさと、しっかりとしたコシがありますね。そして余韻に広がるのは、ほんのり甘い小麦の風味。
新井さん「つゆや具の味で食べさせるうどんとは、少し違います。甘さ、香り、コクといった小麦の本来の風味を味わっていただきたいです」
確かにコシの強さが特徴の讃岐など、世間で人気のうどんとはまた違ったおいしさ。素材の味を生かした麺が、シンプルな麺つゆや薬味とよく合います! つるつると胃袋に収まっていき、香り豊かなコーヒーも楽しみながら完食しました!