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昭和から愛されるスタミナの味!郡上市明宝の「鶏ちゃん」

at home VOX

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2016.01.30 13:27
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■労働者のスタミナ源だった「鶏ちゃん」

郡上八幡駅から北へのびるせせらぎ街道を通り、20分ほどで鶏ちゃんが味わえる「料理旅館みずかみ」さんに到着しました。今回お話を伺ったのは、みずかみのご主人・髙田さんと“めいほう鶏ちゃん研究会”の河合さんです。

旅館にレストランが併設された「料理旅館みずかみ」。
旅館にレストランが併設された「料理旅館みずかみ」。
店頭ののぼりには「鶏ちゃんの里」の文字も。
店頭ののぼりには「鶏ちゃんの里」の文字も。
にこやかに迎えてくれた高田昌成さん(右)と河合美世子さん(左)。
にこやかに迎えてくれた高田昌成さん(右)と河合美世子さん(左)。
店内はゆったりとした作りで、窓も大きく眺めも最高です。
店内はゆったりとした作りで、窓も大きく眺めも最高です。

早速、「鶏ちゃん」とはどんなお料理なのか、聞いてみました。

河合さん「『鶏ちゃん』はカットした鶏肉を好みの調味料で味付けし、季節の野菜と一緒に炒めた料理です。簡単なのにとても美味しい郷土料理で、この地域では昔から愛されています。誕生した経緯には諸説ありますが、昭和30年代に明宝や隣の下呂で同時期に誕生したと言われています。当時、御母衣(みぼろ)ダム工事や伊勢湾台風の復旧工事が行われており、日本人はもちろん朝鮮半島出身の労働者の方も多く働いていました、工事現場近くの宿舎で仕事終わりにニンニクや唐辛子入りの調味料で味付けしたお肉を焼いて食べていたのが美味しいと噂になり、それを真似て作り始めたのがきっかけだとか。鶏は各家庭で卵を得るために飼われていたので、一番身近なお肉は鶏肉です。鶏ちゃんの『ちゃん』も内臓を意味する『トンチャン』が由来だという説や、『醬(ジャン)』が転じたものという話があります。それに、明宝には江戸時代から鉱山があったので、鶏ちゃんのルーツにあたる料理は戦前から鉱山労働者の間で食べられていたかもしれません」

戦後、肉とニンニクの組み合わせは厳しい肉体労働を支えたスタミナ源となり、しだいに美味しい料理として認められ、幅広くこの地域に伝わっていったんですね。

河合さん「実は明宝では昭和30年代前半は羊肉のジンギスカンが大ブームになったそうです。当時は羊を飼うことが奨励されましたが、産業的に羊の需要がなくなり、段々と鶏に変わっていきました。焼肉と言ったら皆さんは牛肉を思い浮かべると思いますが、この辺りでは20~30年前までは焼肉といったら鶏肉でした。鶏食文化が浸透している地域なので、その鶏肉を少しでも美味しく食べようと発展し続けているのが『鶏ちゃん』なんです」

それだけ鶏肉を愛している明宝の方々の自慢料理。楽しみが膨らんできました!

■ビジュアルと香ばしさに食欲全開!
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