薩摩の郷土料理「がね」は、かきあげと超ソックリ... 何が違うのか地元民に聞いてみた
2015.10.26 11:00
そばやうどんに入れるのが...
詳しい調理法を調べてみても、材料はサツマイモを入れること以外とくに決まりはないという。よく使われるのはカボチャ、ニンジン、タマネギ、ニラなど。サツマイモだけで作られることもあれば、山菜やゴボウなどの季節の食材、イリコや鶏肉などバラエティ豊かな具材が加わることもあるそうだ。
......やっぱり、かきあげとの違いがイマイチ分からない。上の説明は、そのままかきあげの調理法としても通用しそうだ。
やっぱり、地元の人間に聞くほかない。宮崎県都城市にある霧島酒造の社員に、詳しい話を聞いてみた。
「ああ~、他県出身者にはなかなか分からないものですよね。まあ、地元の人間でも説明するのは難しいんですが(笑)。どちらかといえば、かきあげより身近なイメージが強いですね」
彼によれば、かきあげは「店で食べるもの」で、がねは「家庭料理」といった認識なのだとか。また、かきあげに比べて甘味が強いのもがねの特徴で、家庭によっては衣に砂糖を加えるところもあるらしい。
また、宮崎でがねの移動販売を行う店主にも尋ねてみたが、「地元民にとって全然違うものだということは確かだけど、うまく説明はできない」との答えが返ってきた。どうやら、料理の内容よりも「思い入れ」の部分が一番の違いであるようだ。
ちなみに、同店主によれば「がねそば」や「がねうどん」なんてものは存在しないらしい。そうなると、一番スッキリする分け方は「そばやうどんに入れる=かきあげ、そのまま食べる=がね」というものなのかも。