学生の"ノリ"から生まれた奇跡の組み合わせ! 青森県青森市の「味噌カレー牛乳ラーメン」
■半世紀近い歴史を持つ味噌カレー牛乳ラーメン
それにしても、味噌カレー牛乳味という独特な組み合わせがなぜ青森市に誕生したのでしょうか? そのルーツは1968年に大西さんの師匠にあたる佐藤清さんが、青森市にオープンしたラーメン店「味の札幌」にありました。
大西さん「私は佐藤さんが札幌にあるラーメン横町で働いていたころの店の常連でした。佐藤さんが『味の札幌』を開店するときに誘われて、一緒に働くことになったんです」
味噌カレー牛乳ラーメンが生まれたのは、それから約5年後。市中心部の映画館の中にオープンした、味の札幌の支店が舞台となりました。
大西さん「土曜日の午後なんかに学生さんがたむろするようになって、ふざけて味噌ラーメンにケチャップを入れたりマヨネーズを入れたり……。ひどいのになると炭酸飲料を入れたりいろんなバカをやっていたんです(笑)。そんな中で、味噌にカレーや牛乳を入れる子もいて。何でも混ぜていた中で生まれて、今でも残っているのがこのラーメンなんです。それ以外のものはみんな却下されましたが(笑)」
なるほど、学生の“ノリ”で偶然生まれたベストの組み合わせが、現在まで伝わっているんですね! 味の札幌で誕生した味噌カレー牛乳ラーメンはその後、大西さんが25年前にのれん分けで開店した、味の札幌 大西をはじめ市内にある5つの店舗に受け継がれました。最近では毎年冬に東洋水産株式会社から、東北地区限定でカップ麺「マルちゃん 日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン」も販売されています。その味は、着実に広まりつつあるようですね。
大西さん「5、6年前は東京などからお客さまのグループが来て、1人が味噌カレー牛乳ラーメンを頼むと必ず『罰ゲームだ』と言われたものです。そして食べてみると『これ普通においしい!』と。最近は罰ゲームとは言われなくなりましたね(笑)。口で言ってもなかなか伝えにくい味なので、とにかく一回食べてみていただきたいです」
東北三大祭りに数えられる「青森ねぶた祭り」があることはもちろん弘前や函館などの観光の拠点にもぴったりな青森市。味噌カレー牛乳煎餅などはネットで購入できますが、やはり本物の味噌カレー牛乳味を堪能したいなら本場に行くしかない! 青森を訪れたら観光とともに、ぜひ実物の味噌カレー牛乳ラーメンをお試しあれ。
店舗情報
●味の札幌 大西
住所:青森県青森市古川1-15-6 古川パークビル1F
電話:017-723-1036
営業時間:11:00~21:30(LO21:30)
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。
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