ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

ファミマのココストア買収で、どうなるコンビニ業界勢力図

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.09.12 11:00
0

コンビニ業界3位のファミリーマートは2015年9月8日、中堅コンビニ「ココストア」を買収し、完全子会社化すると発表した。

ココストアは全国27都府県に約650店舗を展開し、この中には九州・沖縄が地盤の「エブリワン」も含まれる。10月1日までに全株式を取得し、順次「ファミリーマート」にブランドを転換する。

ココストアの店舗。写真はイメージです(Yuya Tamaiさん撮影、Flickrより)
Coco! coco de bake ココストア コンビニ

先月末で契約を解消したが、ココストアはイオングループのミニストップと提携していた。トップバリュ商品が店内に並び、「ミニストップと一緒になる」と思っていた利用客もいた。

さらにファミリーマートはサークルKサンクスを傘下にもつユニーグループ・ホールディングスとの統合を協議している。ファミリーマートにサークルKサンクスとココストアが加われば、店舗数は1万8000を超え、業界首位のセブン-イレブンと並ぶ。売上高もローソンを抜いて2位になる。

愛知と沖縄で圧倒的地域一番店に

ファミリーマートが手中にしようとしている2社はどちらも名古屋が拠点。愛知県内のサークルKサンクスの店舗数は1212、ココストアは55だ。
ちなみにファミリーマートの店舗数は563で、セブン-イレブンは978、ローソンは583となっている。サークルKの牙城にセブン-イレブンが急速に割り込んでいる中、単純計算で1800店舗を擁するファミマ陣営は、愛知県内における圧倒的一番店の地位を手にすることになる。

またココストアの県内シェアが高いのは茨城と沖縄だ。とくに沖縄はセブン-イレブン未出店で、3極の一角を形成している。店内調理の焼きたてパンやおにぎりは利用客から好評で、「ファミマになっても残してほしい」という声は少なくない。

もともと沖縄ではファミマがコンビニシェア1位を占めているものの、ローソンは地場スーパーのサンエーと業務提携し、地域限定商品の開発を進めている。
沖縄は全国で数少ない人口増加地域であり、コンビニの売上高も伸びている。ライバルのローソン、セブン-イレブンが上陸する前に、ココストアと組んで基盤固めをしておくことで、愛知におけるサークルKの二の舞は避けたいのではないか。

ファミマはセブンに追い付けるか?

ファミリーマートは改装費用の捻出や競合店の調整、取引先の集約といった難問を1つひとつ解決していかなければならない。それでも買収と経営統合に踏み切るのは、これ以上もたもたしていると、上位2社に差をつけられるという危機感だ。

全店平均日販は、ファミリーマートがセブン-イレブンの78%、サークルKサンクスが66%しかない。
全国のコンビニ数は5万5000店舗を超え、新規店が既存店のパイを奪っている状態だ。駅ナカやオフィスビルを除けば好立地も限られつつあるし、光熱費や人件費の高騰でフランチャイジーの出店意欲も減退しつつある。

こうした状況を鑑みれば、独力で店舗を拡大するよりも、買収・経営統合に踏み切るのは合理的な判断だ。
店舗数が増えて商品調達のボリュームが大きくなれば、取引先に対する本部の発言力が増す。ユニーのノウハウが手に入ることで商品開発力もアップする。

8月をメドに経営統合の基本合意書を締結する予定だったユニーとファミリーマート。基本合意書の締結を9月以降に先送りしているが、経営統合の方針は揺るがないだろう。さらなるコンビニ再編はあるだろうか――。

PAGETOP