東海地方の「赤だし」好きに、メーカーや定食チェーンはどう対応している?
[ドデスカ!-名古屋テレビ]2015年8月5日放送の全力リサーチのコーナーで「赤だし」について調査していました。
全国のみなさんの印象は?
東海地方では当たり前に飲まれている「赤だし」、東海地方以外の方は一体どう思っているのか名古屋城で聞いてみました。
実際に名古屋城を訪れていた県外の方に飲んでいただくと、赤だし独特の渋みと濃さが受け入れられない様子。
飲食業界は東海地方を特別扱いしているようで、東海地方から西で展開する定食屋「宮本むなし」は、定食につくお味噌汁は愛知・岐阜のみ赤だし。
スーパーでお馴染みの「永谷園」の即席みそ汁「あさげ・ひるげ・ゆうげ」の全国の販売数の割合は、あさげ(合わせ)が60%、ゆうげ(白味噌)30%、赤だしのひるげは10%のみ。実はひるげは東海地方のみの販売で、他の地方では販売すらしていないとのこと。
そもそも赤だしって?
八丁味噌を始めとする東海地方の赤味噌は、大豆を蒸して作る豆味噌。赤だしとは、その豆味噌に米味噌やかつお節などのだしを加えて作るみそ汁のこと。
諸説ありますが尾張で作られた豆味噌が、京都にもともとあった米味噌と合わさって、赤だしと呼ばれるようになったとか。つまり赤だしは関西生まれとも言われているそうです。
そのため今でも西日本では、赤だしが飲まれているとのこと。
しかし東には浸透していません。その理由を食文化に詳しい、名古屋女子大学短期大学部の遠山佳治教授に伺いました。
遠山教授によれば、江戸っ子が好んだのは醤油味の濃い味付けで、すでに濃い味付けのある関東に濃い赤だしは合わないことから浸透しなかったとのこと。
赤だしが好きなのは東海地方の人間ばかり、というのは知っていましたが、こんな歴史があったんですね。全国チェーンのお店も特別体制だ、というのはびっくりです。(ライター:神谷祐美)