北は東北、南は九州まで この春に注目したい日本の奇祭
■クスッと笑えるおかしな奇祭
●オホホ祭り
愛知県名古屋市熱田神宮/毎年5月4日開催
舞台は境内の灯りがすべて消された真っ暗闇の熱田神宮。どこからともなく神官たちが集まり、ひらすら「オホホ、オホホ」と笑い続けます。
杉岡さん「神官たちが暗闇の中で輪を作り、一人がしゃがみこみ、お面を叩きながら笑うんです。するとまた別の神官が笛を吹き、それに合わせて他の神官たちが一斉に笑い始めます。笑い声が熱田神宮の森の奥深くまで響き、ほとんどシュールな演劇を見ているような感じ。この笑いを、場所を変えながら3回繰り返します」
一説によると、天智天皇(626〜672年)の時代、熱田神宮にあった神剣が天皇によって持ち去られてしまい、神官たちが「返して欲しい」と懇願したところ、後年になって天武天皇(不明〜686年)の勅命で戻ってきたという出来事がありました。神官たちは神剣が返ってきたことを盛大に喜びたい気持ちでいっぱいでしたが、「そんなことをしたら天皇家に失礼」ということで、暗闇のなかで大笑いするようになったのだとか。「オホホ祭り」は、この出来事を今に伝える行事であるとされています。
奇祭に歴史あり。シュールな行事もありますが、お祭りは参加して楽しむもの。興味を持ったら、気軽に体験してみてはいかがでしょうか?
■取材協力/写真提供
杉岡幸徳
http://www.sugikoto.com/
関連記事
若い世代に広がる田舎暮らし 人気の地域と成功のコツ
ニッポンの5当地(ごとうち) 5当地「色」- 12の知られざる石川
50代はロボットの仕事ぶりに期待! ロボットに恋する可能性が高い世代は...?!