消える高島屋とシャッター通り、そしてイオンモール...記者が見た和歌山市の今
イオンモールと地元スーパーがしのぎを削る
高島屋に話を戻す。閉店の決定打となったのは今年3月16日に開業した「イオンモール和歌山」と報じられている。
和歌山市駅から急行で約6分の和歌山大学前駅に直結しており、大阪府と和歌山県を結ぶ国道26号線に面している。敷地は15万5000平方メートル、総賃貸面積は約6万9000平方メートルもある。
ぶらくり丁は年配者の姿ばかりが目立ったが、次いで訪れたイオンモールはヤンチャな子供たちやカップル、ファミリーらで賑わっていた。夏休みが終われば和歌山大学の学生たちの姿も増えるのだろうか。
同モールは大阪府と和歌山県の境に立地し、大阪府南部の住民も買い物客のターゲットに入っていると聞くが、駐車場を見渡す限りほとんど和歌山ナンバーだった。
実は和歌山市の商業は地場資本のスーパー「オークワ」に席巻されており、イオンモール開店は高島屋に引導を渡したにすぎなかった。
オークワは県内に55店舗を有し、9月4日にはかつてダイエーのあった場所に「スーパーセンターオークワセントラルシティ和歌山店」がオープンする。ポイントカード「オーカード」は県民の6割以上が所持していると言われ、テレビ番組「秘密のケンミンshow」に取り上げられたこともあるほどだ。
オークワとイオンは業務提携を結んでいた時期もあったのだが、現在は顧客獲得にしのぎを削る。