奈良と佐賀は似てる?「仏壇」に見る意外な県民性
引越し比較・予約サイトの「引越し侍」は、都道府県別の仏壇保有率ランキングを2014年2月6日に発表した。引越し元の住所が基準となっている。
平均保有率で最も高かったのは「奈良」の4.97%だった。以下、「和歌山」が4.76%、「佐賀」が4.26%、「北海道」が4.19%、「兵庫」が4.18%、「大阪」が4.11%と続く。一方のワーストは低い順に「島根」「石川」「秋田」だった。
全体の平均保有率は3.3%。世帯別にみると、「家族世帯」が6.4%、「単身者」が1.7%と、圧倒的に家族の方が保有率は高い。
この調査結果は、引越し侍を利用して転居した人に対するアンケートを集計したもの。同じ家に長年住み続けている家庭はカウントされないことを考慮すると、実際の保有率はこれよりも高い可能性がある。
奈良は、長期間にわたって使用される比較的高額な商品の保有率がとても高い県で、ピアノ保有率でも1位だ。伝統や旧跡が身近にあり、それを大切にする文化が根付いた結果、「良いものを長く使う」県民性が生まれたのかもしれないと、引越し侍のレポートは指摘する。
古都京都の人が仏壇をもたない理由
京都は奈良と並ぶ日本を代表する古都で「仏壇発祥の地」といわれているが、意外にも保有率は31位にとどまった。家族世帯で比較すると、奈良の2位に対して京都は6位と、そこまで差は開いていない。しかし、単身世帯が33位であったため総合順位が下がっている。京都は学生の比率の高い都市で、単身者の比率が高い。その影響が強く出たとみられる。
なお、上位7県のうち近畿からは4府県がランクインしている。阪神エリアとの関係が密接な徳島(7位)を含めれば、上位の大半は関西圏といえなくもない。
家計調査の「祭具・墓石」1位は?
総務省調べの「家計調査」によると、「祭具・墓石」年間支出金額の1位は「佐賀」の3万5773円だった。一方、「奈良」は2万223円で4位にランクインしている。引越し侍の調査で、転居しない仏壇保有世帯を含めることができれば、先の順位は入れ替わるかもしれない。
佐賀人の仏壇に対する思い入れがうかがえるユニークなデータがある。みずほ銀行宝くじ部が調べたところによると、2008年度に100万円以上の高額当選金を受け取った人のうち、宝くじの保管場所の1位は、全国が「自宅の机の引き出し」だったのに対し、佐賀県は「神棚・仏壇」(21%)だった。