まるでお弁当のようなパン!? 秋田県秋田市の「学生調理」
地域で愛されているパンを探して、全国各地をゆく「地域密着 愛されご当地パン」。今回はボリューム満点のユニークなパンが秋田にあると聞きつけて「たけや製パン」にやってきました。 たけや製パンは今年で創業66年目を迎える老舗製パン会社。菓子パンから調理パンまでさまざまなパンを製造しています。県内の小売店や学校の売店には“たけやのパン”が並び、秋田では誰もが知る製パン会社と言えます。
今回のお目当ては、たけや製パンの数ある調理パンのなかでも1番人気だという「学生調理」です。パンかどうかも分からない変わった商品名ですが、一体どんなパンなのでしょうか? たけや製パン企画課長の加藤勇人さんと、リベールで調理パンの製造管理をする次長の佐藤保さんに紹介していただきましょう。それでは早速、ご当地パンを拝見!
なんと3種類もの具材がサンドされ、かなりボリューミーです! どちらから食べようか迷っていると…。
佐藤さん「秋田県民の間でもフライ側から食べる派とスパゲティ側から食べる派で分かれるんですよ。ちなみに私はフライ側から食べて、麺を〆にしています(笑)。お好みでどうぞ」
それでは、今回はフライ側からいただいてみましょう。フライの衣にはソースがしっかり染みてしっとりとした食感です。中身はソーセージのようで、噛むほどに肉の旨味が広がります。真ん中のサラダは、キャベツとコーンがマヨネーズであえられており、シャキシャキとした食感とまろやかな味わいが楽しめます。そしてスパゲティは、甘めのトマト味でどこか懐かしさを感じるナポリタン! パンは主張の少ないシンプルな味で、しっかりと味のついた具材とバランスがとれています。 食べているとどこか懐かしくなるような、家庭的な味わいのパン。それもそのはず、その具材は全て手作りなのです。
佐藤さん「フライの具材は魚肉ソーセージで、自家製のパン粉をまぶして揚げています。ソースもケチャップをベースにウスターソース、砂糖、塩などで作ったオリジナルのものです。サラダはキャベツとコーンをマヨネーズ、塩、ブラックペッパーであえています。フライとナポリタンというがっつり系の具材の間で箸休め的な役割ですね。ナポリタンは1日に約100キロの量を2~3回に分けて作っているんですよ」
それにしても、具材が3種類も入っているなんてボリューム満点ですね!
佐藤さん「学生調理は育ち盛りの学生さんにお腹いっぱいになってほしいという思いで作っています。だからこそ年々、原材料の価格は上がっていますが、具材の量を減らすことは発売以来1度もしていません。具材も学生さんが好きそうなものを選んでいて、お弁当のようなパンをイメージしているんですよ」
まさにお弁当のおかずが、そのままサンドされたようですね。1個食べ終わる頃には、すっかりお腹いっぱいに! 食べ盛りの学生さんもこれなら満足できると納得でした。