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「十勝生乳由来乳酸菌によるチーズの製造方法」が「令和5年度北海道地方発明表彰」で特許庁長官賞を受賞

2023.10.27 14:00

熟成期間を短縮しながらも長期熟成チーズの旨味と芳醇香りを実現、チーズの食文化の多様化に寄与

株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、十勝産生乳から採取した乳酸菌を使うことで長期熟成チーズの本格的なあじわいを短期間で実現する「十勝生乳由来乳酸菌によるチーズの製造方法」を発明し、この発明が公益社団法人 発明協会(会長:内山田 竹志)が実施する「令和5年度北海道地方発明表彰」において、「特許庁長官賞」を受賞しました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202310261776-O6-DnbC9INn
表彰式の様子

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202310261776-O2-j671gF6N
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202310261776-O3-S7bXr19F
左から市販用「明治北海道十勝パルメザンチーズ(80g)」 業務用「明治北海道十勝パルメザンチーズ 生削り(1kg)」

■発明の概要
本発明は、十勝産生乳から採取した乳酸菌(Lactobacillus fermentum OLL203697株※)を使用することで、短期間の熟成でもしっかりとした旨味と芳醇な香りを豊富に含むチーズの製造を可能としたものです。長期熟成チーズは通常、2年以上の熟成期間を要しますが、本発明では、6カ月程度の熟成で長期熟成チーズの持つフルーティな香味を実現しました。
当製法は「明治北海道十勝パルメザンチーズ」などに使用しており、約10年にわたり、チーズ食文化の多様化に寄与し、十勝産チーズの価値向上と地域振興にも貢献していることが評価されました。

■受賞発明
発明名称:十勝生乳由来乳酸菌によるチーズの製造方法
対象特許:特許第6084162号

■受賞者
【特許庁長官賞】
株式会社 明治 商品開発研究所 十勝チーズ研究センター チーズ開発G 城ノ下 兼一
  乳酸菌研究所 基盤微生物研究部 マイクロバイオームG 土橋 英恵
  品質科学研究所 食品衛生検査部 食品検査G 斎藤 瑞恵     
                       イノベーション事業戦略部 事業開発G 小森 素晴
【実施功績賞】
株式会社 明治 代表取締役社長 松田 克也

■芳醇で深い香りを生み出す成分「パイン様エステル」の生成に寄与する乳酸菌の探索
長期熟成チーズとして有名な「パルミジャーノ・レッジャーノ」はイタリアで生産され、パイナップル様のフルーティな香気成分(パイン様エステル)を有しています。前日のチーズ製造で生じたホエイを生乳に添加してチーズの熟成を行う伝統製法で作られており、ホエイに含まれる多様な微生物の中の特定種の乳酸菌が関与して「パイン様エステル」が生成されると考えられています。
工業生産によるチーズは、通常、殺菌した乳原料に乳酸菌を添加して熟成させることで製造されますが、「パイン様エステル」が含まれることは稀です。この「パイン様エステル」を生成させるべく、好適な乳酸菌を探索し、高品質のチーズを、より短期間の熟成により製造する技術開発に取り組みました。

■十勝生乳由来乳酸菌によるチーズの製造方法
探索の結果、十勝産生乳から採取した乳酸菌「Lactobacillus fermentum OLL203697株(以下OLL203697株)」が好適であることがわかりました。スターター乳酸菌(チーズ熟成に通常使用される乳酸菌)のみで製造したチーズでは、パイン様エステルがほとんど増加しませんでしたが、OLL203697株を加えたものは短期間で顕著にパイン様エステル濃度が増加しました。(図) 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202310261776-O5-y84n54rX

図.試作チーズ中のパイン様エステル濃度

このOLL203697株を意図的に添加し、スターター乳酸菌と組み合わせて熟成を行うことにより、フルーティな香味を持つチーズを6カ月程度という短期間で生産することを可能としました。

【地方発明表彰とは】
大正10年に開始された地方発明表彰は、実施されている優れた発明、考案又は意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰するものです。全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分けて、公益社団法人 発明協会が「特別賞」「発明奨励賞」などを表彰しています。

※Lactobacillus fermentumは、発明時の分類名であり、現在はLimosilactobacillus fermentumの分類名に変更になっています。

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