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「見かけない子だね」佐渡島で入った小料理屋 酒と大声のなか女将が「うちの2階に泊まりなさい」(神奈川県・50代)

Jタウンネット読者

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2025.12.27 06:00
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学生時代の一人旅。不慣れな土地、夜道で寒さに震え、途方に暮れる中で見つけた明かり――。

空腹を満たそうと入った小料理屋で、思わぬ出会いがありました。

とある小料理屋で(画像はphotoAC)
とある小料理屋で(画像はphotoAC)

<タクヤンさんからのおたより>

まだ何も世間を知らず、何でもできると信じていた学生の頃の話です。

私は今、神奈川県に住んでおりますが、学生時代は山梨県にて寮生活をしておりました。

冬休みを利用して新潟は佐渡島まで一人旅。宿泊先も予約せずに、行き当たりばったりの旅をしました。

行き当たりばったりの一人旅(画像はphotoAC)
行き当たりばったりの一人旅(画像はphotoAC)

2泊の旅行、1泊目は、とある民宿へ難なく泊まることができました。着いた時間も夕方に近かったことから、民宿でお風呂に入り、夕飯を食べて「これなら、明日もスムーズに行ける」と過信し、次の日を迎えました。

朝から荒れている日本海を見たりしていたところ、昼過ぎから雪が降ってきました。

当初、雪が降ったことではしゃいでいたのですが、夕方の5時には寒さと空腹、暗い道で途方に暮れていました。

頼んでいないお刺身も...お礼に皿洗い

手も冷たくなりどうしようかと不安になっていたときに、ポツンと小料理屋の明かりが見えたのです。一時的にも避難しなければと店に入りました。

店には地元漁師らしき方が4人ほどおり、酒のにおいと大声でした。

店の女将さんが切り盛りしており、「いらっしゃい」と温かく迎え入れてくれました。豚汁と煮魚定食を頼むと、女将さんは「見かけない子だね」と声を掛けてくれました。

煮魚を頼んだら...(画像はphotoAC...
煮魚を頼んだら...(画像はphotoAC...

神奈川から一人旅していること、これから宿を探そうとしていることを伝えると、この辺では宿は無いと。

「うちの2階に泊まりなさい」

と言われた時は涙。頼んでいないお刺身もいただき、地元漁師らしき方の人数も10人くらいに増えていました。泊めていただくお礼として、皿洗いしました。

40歳のときに再度店を訪れると

次の日、雪は止んでおり外を出ると、民家しかないことにあらためてびっくりしました。

その後、3年間という短い期間ですが、女将さんとは年賀状の交換。その後亡くなったと聞きショック。40歳のときに再度店を訪れた時には、当時の写真があったのには涙。

年賀状のやり取りをしていたが...(画像はphotoAC)
年賀状のやり取りをしていたが...(画像はphotoAC)

冬の寒さに見つけた人のやさしさと温かみを感じた店を、いつまでも忘れません。


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