「娘の携帯から掛かってきた電話に出たら、なぜか中年女性の声。子供たちは夫と家に居るはずなのに...」(茨城県・40代女性)
一瞬、頭が真っ白に
私がそのことを知ったのは、職場にかかってきた電話ででした。
実は正社員として働き始めた時に、「何かあった時のために」と娘に子供用の携帯電話を持たせていたのです。
娘に声をかけてくれた中年女性が、その携帯電話を使って、仕事中の私に連絡をしてきてくれました。
「もしもし、今、畑の農道で娘さんと息子さんが迷子になっていて......。
お母さんは? と聞いたら、お仕事で居ないと言うので、もしよかったら自宅まで送り届けますよ」
一瞬、頭が真っ白になりましたが、2人が無事なことに安心して、自宅の近くの飲食店の名前を伝えました。そこまで行けば、娘がその先を説明できるからです。
その時に、お礼の連絡をするために電話番号も尋ねたのですが、「お礼なんて、いいんですよ。お姉ちゃんがとても可哀想だったので、本当に気になさらないで」とおっしゃられて、結局名字しかわかりません。
その方はその後、子供たちを自宅の前まで車で送り届け、帰っていったそうです。
ただ、わたしが家に帰って、夫にその話をすると、「寝てたから知らない」と......。結局、私は夫とは離婚しました。

今は娘が高校生、息子は中学生。2人とも親が家に居なくても大丈夫になりました。
あの頃の事を思い出すと、お礼も言えず、誰なのかも分からないままになっていることが、悔やまれます。
もし、これを見てくださって、少しでも思い出してくださった方がいらっしゃったのなら、「本当にお世話になりました」とお伝えしたいです。
大切な子供たちを怪我もなく送り届けてくださって、ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
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