〝災害級〟豪雪の青森で実感した「先人の知恵」のありがたみ 命懸けの移動の途中で「ほっとしました」
豪雪でも「こみせ」には雪が流れこんでない
gamo.junさんの別ポストによると、写真が撮影されたのは青森県黒石市。4日には市内の観測地点で155センチの積雪が観測され、「令和7年黒石市豪雪対策本部」が設置された地域だ。
その市内に、重要伝統的建造物群保存地区に指定された「黒石市中町伝統的建造物群保存地区」がある。通称「こみせ通り」。
黒石市の公式ウェブサイトによると、「こみせ」とは表通りの正面に設けられた深い〝ひさし(庇)〟の、青森県や秋田県での呼び方。雪や雨をしのぐために作られたアーケード状の通路で、冬になると雪の侵入を防ぐために「蔀(しとみ)」という板が落とし込まれ、積雪時の貴重な歩行通路となるという。
黒石市の「こみせ」という空間はどんな居心地なのか? Jタウンネット記者は、gamo.junさんに詳しい話を聞いてみた。
gamo.junさんは地元・黒石で育ち、地元の歴史文化には常々興味を持ってきた。「黒石こみせ観光ボランティアガイド」を務めたり、「黒石美術会」の代表としてこみせ通りの中の一軒を利用して展示会を行ったり、地元に根付いた活動を行っている。
話題の写真は、5日に開催された総会から、徒歩で帰る途中に撮影したものだという。
「総会だったので、徒歩を選択しましたが、市内大通り、街の中心部全て危険な状態です。車も1台がやっとで対向車線が有るところではもっと危険。歩道も雪壁に囲まれ、ぬかるみにはまったり行き止まりだったり、雪降ろしで危険と車道に出されたりもしました。
道路は、歩行者歩ける場所もなく、すり鉢状になり、滑るし怖いです。転んだらひかれます。多分。(笑)どっちにしても、必要以上に疲れる命懸けの移動でした(笑)」
「帰り道もビクビク恐れながら帰りましたが、こみせという空間がありほっとしました。
友人待ちでちょっとベンチに座ってみた時、この豪雪でも雪が流れこんでないという、この状態に感心してしまったという流れです」(gamo.jun さん)
凄まじい雪によって、「こみせ」のありがたみが、つくづく実感できたというわけだ。
しかし「しばらくベンチにいましたが、お尻が冷たかった」と、別ポストでつぶやいている。たしかに周りを雪に囲まれたベンチはさぞ冷え切っていたことだろう。