「脱走しているんですが」水族館に報告相次ぐも... 伊勢シーパラ〝自然界からの来館者〟紹介に1万人驚がく
「脱走しているんですが...」
三重県伊勢市の「伊勢夫婦岩ふれあい水族館 伊勢シーパラダイス」では夏になると、来館者からそんな報告を受ける機会が増えるという。
2024年8月7日、同館の公式Xアカウントが明かした。
いったい誰が脱走を疑われているのかというと......。
カニである。水槽の前を悠々と闊歩しているみたいだ。
しかし、同館によると「脱走していません」。
......脱走していないのであれば、この子はナニモノ? ポストでは、次のように説明されている。
「このアカテガニさんは、自然界からの常連さんなので、脱走したわけではないのです。
踏まれそうなところにいたらそっと安全なところに移動してあげて下さい」
なんとこちら、我々と同じ水族館のお客さんであり、さらに"常連さん"だった。まさか水族館に遊びに来るカニがいるなんて......。
「厄介者とは思っておらず...」
8月16日、Jタウンネット記者の取材に応じた伊勢シーパラダイスの飼育スタッフにスタッフによると、"常連"であるアカテガニは初夏から晩秋にかけてほぼ毎日、館内に出没する。海獣広場やふれあい魚館など、一階部分を中心に、たまに2階のごろりんホールなどに出没することもあるという。
かなり、館内を満喫しているようだ。
毎日出没するアカテガニを、伊勢シーパラダイスとしては実際のところ、どう思っているのだろう?
「特に厄介者とは思っておらず、自然界からの来館者だと思って、無理に動かしたりせず、アカテガニの自由行動を見守っております。
ただ、危ないところに居た時は、外に逃がしてあげます。
アカテガニが出始めると、今年も夏が来たな~!と思います」(飼育スタッフ)
だが、事情を知らない来館者は驚いてしまうようで、よく「カニが脱走しています!!」と言われるそう。そこで、「実は脱走ではなくて自然界から遊びに来た来館者なんです」ということを広く伝えるため、今回のポストを投稿した。
「カニが建物内にいるというのは、私たちにとっては日常ですが、お客様の反応を見る限りでは珍しいのかもしれません。
カニたちの勝手な侵入は、海辺に近い水族館あるあるだと個人的には思ってます」(飼育スタッフ)
館内を闊歩するカニのお客さんの姿に、X上では1万件に近いいいね(16日夜時点)の他、
「常連さん可愛い」
「居心地良いんですかね~」
「脱走ではなく侵入だった」
「バイト面接の希望者さん......」
「涼しさを求めに来たのかしら?」
と様々な反応が寄せられ、話題となっている。
こうした反響を受け、スタッフは次のようにコメントした。
「思っていたよりも反響があったのでとても驚いています。
この時期に伊勢シーパラダイスへお越しになる際は、館内をぜひ探してみてほしいです。
また、アカテガニの背中にはひっそりとニコちゃんマークが付いているので、よく観察してみてほしいです。そして、そっと安全なところに戻してあげてください。
この投稿をきっかけに、アカテガニのことを少しでも興味持ってもらえたらとてもうれしいです」
なお、同館ではアカテガニと、同じく夏になると館内を歩き回っている「フナムシ」についての展示を9月1日まで実施中。
伊勢シーパラダイスの「お客さん」たちのことをもっと知りたい! と気になった方は足を運んでみては。