「松葉杖の私が買い物してたら、声をかけてきた見知らぬ女性。エスカレーターやレジ、炎天下の帰り道でも...」(東京都・30代女性)
2024.08.08 13:00
松葉杖で必死に家に戻っていると...
外は炎天下だった。
普段なら僅か3分の道のりが、松葉杖だと15分はかかる。
歩みに合わせて大きく揺れる買い物袋。ボトリボトリと落ちる汗。
あと、100メートル。
暑さとしんどさで買い物袋を投げ出してしまいたい気持になりながら、必死で一歩一歩を繰り出していると、突然、後ろから声がした。
「やだ、汗だくじゃない!」
顔を上げると、さっきの女性が目の前で自転車から降りたところだった。
「ほら、貸して」そう言って私の買い物袋を自転車のカゴに乗せていく。
「おうち、どこ?」
「あ...すぐ、そこです。そこに見えてる、あのマンションです」
彼女は炎天下の中、私に付き合って自転車を押してゆっくりゆっくり歩いてくれた。