「教室に風情持ち込むのおもろ」「大声出して笑った」 美大生による〝エアコン水漏れ対処法〟に28万人脱帽
連日、各所で35度を超えるどころか40度にも迫るほどの猛暑日が観測されている。
もはやエアコンがない生活なんて、考えられない暑さだ。
そんなとき、もしエアコンから水漏れが起きてしまったら、あなたならどうするだろうか。
エアコンを止める......のは無理だけど、水漏れしているのも困る。為す術もなく立ち尽くしてしまうかもしれない。
だが、そんなピンチを斬新なアイデアで乗り切った美大生たちが、X上で注目されている。
2024年7月30日、XユーザーのTK(@me2ooow)さんは
「美大生だから、エアコンの水漏れにも対応出来る」
と呟きながら2枚の画像と1本の動画を投稿した。これはその画像の内の1枚だ。
どうやら、画面上に映っているエアコンから水漏れをしているようなのだが......下にある"竹"は、いったい何?
まさかそれで、漏れている水を受けているというのか......?
驚くことに、その通りである。しかも、それだけではない。
風流にもほどがある
エアコンから漏れている水を、「ししおどし」で受け止め、排出しているのだ。ふ、風流すぎる......!
いったいどんな経緯で、この「ししおどし」が誕生したのか。
30日、投稿者・TKさん(多摩美術大学統合デザイン学科1年生)はJタウンネット記者の取材に応じ、水漏れがあったのは、TKさんたちが普段必修科目などで使っている実習室だと教えてくれた。エアコンが壊れたのは制作期間中だったため、ロッカー等に被害があったという。
「研究室の方と用務員の方々に依頼し応急処置としてドレン管からホースを繋いで頂きました」(TKさん)
そこまでは理解できる。だが、なぜそれがこの後「ししおどし」に? TKさんはその経緯をこう語る。
「水漏れの数日前に廊下で流しそうめんを開催していたため竹が余っていたという事情があります。
そのため突然の水漏れの際に水を竹筒で運搬できたため、夏らしい演出としてししおどしを作るということになりました」(TKさん)
偶然、廊下で流しそうめんをしていたおかげで、ししおどしに辿り着けたらしい。どういう奇跡?
竹は友人が地元から調達
TKさんがししおどし制作を発案し、クラスメート数人で協力して材料集めや作業を行ったという。
材料の竹は、比較的遠い場所から通っているという友人が、地元の川岸に流れてきた竹を持ってきてくれていたものとのこと。制作時の様子を、TKさんはこう語った。
「私の所属する統合デザイン学科は基本的になんでもする学科なため、ノコギリやドリルなどは持っている生徒が多いです。
そのため竹をカットしたり穴を開ける、などの作業はかなりたやすく行えました」(TKさん)
苦労したのは、ししおどしの最大のポイントともいえる爽快な「カン!」という音をいかに出すかという点。
「竹を当てる先を石材にしたり、節に当てるポイントを調節するなどして理想の音を探しました」(TKさん)
今回、話題となった動画は完成後に、デモンストレーションも兼ねて試運転を行った際のもの。TKさんは、完成時の思いを
「教室内にししおどしがあり、その音がやはり気持ちいいものであったため、友人とずっと笑っていました。立案段階から見ていたものがうまくいった喜びも大きかったです」
と語った。
取材を行った30日時点も、水漏れは継続。その事実だけだと、かなり困る気はするが......TKさんは、こんな思いも漏らしていた。
「水漏れが解消されると、この暑い夏に数少ない納涼を感じられるししおどしが機能しなくなるのは少し悲しいというのが正直なところです」
今回、TKさんたちが制作した「ししおどし」に対し、X上では28万件を超える「いいね」(1日夕時点)のほか、こんな反応が寄せられ、話題となっている。
「趣すぎ」
「アートを感じる」
「この発想はなかった」
「芸術点高いw」
「天才すぎますw むしろなんか涼しいw」
「教室に風情持ち込むのおもろ」
「仕組みわかってるのに大声出して笑ってしまった」