一口で「脳がバグる」 新潟ご当地アイス「もも太郎」の情報量が多すぎた
新潟県には、名前に「もも」が入っている、「りんご果汁」を使った、「イチゴ味」のご当地アイスがある──2024年5月、Jタウンネット記者はX上でそんな情報を目にした。
何を言っているのかちょっとよくわからなかったので、とりあえずそのアイスを取り寄せてみた。
届いたのが、こちらだ。
冷菓メーカーのセイヒョー(本社:新潟県新潟市)が販売している「もも太郎」だ。
パッケージにはどんぶらこどんぶらこと川を流れてきそうなモモの絵。その中に入っているのは、桃色のアイスキャンディーだ。
これが「モモ味」じゃないなんて考えにくいが......とにかく、一口食べてみよう。
脳がバグる
......イチゴだ。食べた瞬間、口の中に広がったのは確かにイチゴ味だった。
しかも、アイスキャンディ―というよりはかき氷に近いザクザクとした食感なので、感覚としては本当に「イチゴ味のかき氷」を食べている感じだ。
パッケージや名前とのギャップですでに脳が混乱しているが、さらに驚くべきは......。
原材料には「イチゴ」なんて書かれていない。入っているフルーツ系の材料と言えば「りんご濃縮果汁」くらいだ。
だが、りんごの風味はほとんどない。繰り返すようだが、味わいは完全に"イチゴ味"なのだ。
爽やかな甘さでとても美味しいことだけは間違いないのだが......一体なんなんだ、このアイスは!?
Jタウンネット記者は6月14日、「もも太郎」についてさらに深く知るために、セイヒョーを取材した。
ルーツは昭和初期の「桃型」
取材に応じた同社社員によると、「もも太郎」の発売は昭和初期。
当時、新潟地域のお祭りでは、桃の形をした木型に氷を詰めてシロップをかけ、それに割り箸を刺した氷菓子が売られていた。
その形から「桃型」と呼ばれていたその氷菓子を、いつでも食べられるようにと製品化したのが「もも太郎」の始まりだという。
イチゴ味なのに名前に「もも」が入っている理由は分かった。
では、りんご果汁を使用しているのにイチゴ味なのはなぜなのだろうか? 記者の質問に、同社員はこう説明した。
「時代に合わせた改良による味の変遷はありますが、ベースがイチゴ味であることはずっと変わっておらず、『もも太郎』が誕生した当初はそもそも果汁を使用していませんでした」
リンゴ果汁が原材料に加わったのは平成初期。よりおいしくするための改良の一環だったそうだ。
初見ではまず味を当てることはできないだろうユニークな新潟ご当地アイスに、X上ではこんな声が寄せられている。
「頭混乱した(笑)」
「いっぺんに情報が入ってきて理解がむずかしい(笑)」
「さらに岡山県のアイスじゃないところもポイント高い」
そろそろ夏も近づいてきて、アイスが美味しい季節を迎える。読者の皆さんも、この美味しくて不思議なアイスを一度試してみては?
新潟県民以外も、オンラインショップから購入可能。8月31日までは数量限定・期間限定の黄色いアイスキャンディー「ももえちゃんレモン味」(レモン濃縮果汁入り)も販売している。
セイヒョー 新潟ご当地アイス「もも太郎」