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桜大仏で人気の壷坂寺は清少納言の「推し寺」だった 道長や一条天皇とも...「光る君へ」登場人物とのゆかり

松葉 純一

松葉 純一

2024.04.21 18:00
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藤原道長も宿泊した!?

さらに、「光る君へ」の主要な登場人物の一人である藤原道長も、吉野参詣の途中に壷阪寺に宿泊したという記録が残っている。

道長の吉野参詣の目的地は、奈良県南部の吉野山に位置する金峯山寺だった。平安時代、金峯山は山岳信仰(修験道)、真言密教、末法思想、浄土信仰などが融合して信仰を集め、皇族、貴族などの参詣が相次いだのだ。

「当時、金峯山は弥勒菩薩が生まれる場所であり、登れば願いが達成できると信じられていました」と、広報担当者。

藤原道長が著した「御堂関白記」には、吉野参詣行程が次のように記されている。

寛弘4(1007)年
8月2日  出立
8月3日  大安寺(奈良市)に宿す。
8月4日  井外堂(天理市二階堂か)に宿す。
8月5日  軽寺(橿原市大軽町か)に宿す。
8月6日  壷阪寺(高市郡高取町)に宿す。
8月7日  観覚寺、現光寺(吉野郡大淀町の比蘇寺か)を経て、野極(金峯山寺周辺か)に宿す。
8月8日  終日雨で留まる。
8月9日  登山にかかり、宝塔(吉野山の西行庵付近か)で昼食、祇園に宿す。
8月10日 山上御在所の僧坊金照房に到着。
8月11日 供養法要を行う。
8月12日 下山
8月14日 平安京に帰京

往復12日もかかる旅程だったという。壷阪寺には4日目に宿泊したようだ。

そして吉野参詣の翌年、1008年9月に一条天皇に入内した娘・彰子が淳成親王を出産した。待望の孫皇子誕生だった。

大仏周辺の桜が散った後は山吹や八重桜が見ごろに
大仏周辺の桜が散った後は山吹や八重桜が見ごろに

――と、こんな風に「光る君へ」の登場人物たちと深いゆかりがある壷阪寺。

「桜大仏」の時季は過ぎてしまったが、華やかな季節は続いているという。

「新緑大仏」や「紫陽花大仏」の頃、訪れてみたいものだ。「紅葉大仏」もいいなあ。

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