「『赤ちゃん可哀想』。雨の中、1歳息子を自転車に乗せて帰ろうとしたら知らないおばさんに声をかけられ...」（神奈川県・50代女性）

シリーズ読者投稿～あの時、あなたに出会えなければ～　投稿者：Sさん（神奈川県・50代女性）

Sさんはその日、1歳の息子を自転車に乗せて買い物に出かけた。

帰りに雨が降ってきたため、息子の頭にタオルをかぶせて走り出そうとしたら、それを見ていた中年女性に声をかけられて......。

＜Sさんの体験談＞

まだ新米ママだった時のことです。

その日わたしは、1歳になる息子を自転車の前に乗せて買い物へ。雲行きが怪しかったものの「近くだから」と思って出かけたのですが、帰り道、案の定夕立にあってしまいました。

「赤ちゃん可哀想よ。早く行きなさい」

仕方なく息子の頭にタオルを乗せて、家へと走り出しそうとした時です。

「赤ちゃん可哀想」

近くにいたおばさんに、そう声をかけられました。私は急いでその場を立ち去ろうしたのですが、そのおばさんは続けてこう言ってきたんです。

「これを使って」

そのおばさんも自転車で帰るところのようでしたが、自分が着るはずだったらしい、自転車の前かごまですっぽり入るポンチョを貸してくださったんです。

私が「でも、お返しはどうしたらよいですか？」と聞くと、彼女は「いいのよ。赤ちゃん可哀想よ。早く行きなさい」と言われて、結局名前も聞けずキチンとお礼もできないまま、その場をあとにすることとなりました。

1歳だった息子も今は高校２年生。小さい頃から「優しいは強い。強いは優しいなんだよ」と伝えてきました。

おかげで、困ってる人や元気のない友だちに自然に声をかけられる、優しい青年になりました。きっとあのおばさんのお陰だと思っています。

あの時は、本当にありがとうございました。いつか私もあなたのような行動ができる、素敵な人になりたいと思っています。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて！

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター（＠jtown_net）のダイレクトメッセージ、メール（toko@j-town.net）から、具体的な内容（どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度～）、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢（20代、30代など大まかで結構です）、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

（※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください）