「開かない玄関の前で母を待っていた雨の日。凍えていた小学生の私にスーツの男性が『おじさんの家で...』」(栃木県・30代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Eさん(栃木県・30代男性)
小学生だったEさんはその日、玄関前で鍵を忘れていたことに気付いた。
冬の雨の中、座って母の帰りを待つことにしたEさんだったが......。
<Eさんの体験談>
私が小学生低学年の時の話です。
母子家庭ということもあり、母は仕事で帰りが遅くなることも多く、学校から帰ると1人家で過ごすことがありました。
ある日家に帰ると鍵を忘れたことに気が付き、玄関の前に座って親の帰りを待っていました。
「どうしたの?」
その日は冬で、しかも雨。1時間程凍えて待っていると、スーツ姿の初老の男性に「どうしたの?」と声をかけられました。事情を説明すると
「おじさんの家で良ければお母さんが帰ってくるまで待ってるかい?」
と言われました。アパートの2軒隣の部屋ということもあり、甘えてお邪魔することにしました。
お話を聞くと、近くの大学に単身赴任か何かでお勤めされているらしく、私を飽きさせないように気遣ってくださったのか、色々とお話をしてくれました。
「寒いから飲んで」と出された暖かいミルクティーが、冷えた身体に染み込み、とても甘くて美味しかったことを30歳を超えた今でも鮮明に覚えています。
男性は私を預かっている旨の張り紙を玄関のドアにしていたので、1時間程で母が迎えに来てくれました。その方とはそれっきり会うことはありませんでした。
ほんの小さな親切かも知れませんが、あの時は本当にありがとうございました。
今も私の中では身も心も温まる思い出です。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)