漫画に出てくる住所みたいだ... 山形県酒田市には「こあら1丁目」があるらしい
山形県酒田市に、あの動物と同じ名前の地区があるらしい。
まずは、そこにある交差点を見ていただこう。
「こあら」
酒田市内で撮影された交差点の標識の写真には、そう書かれている。
信じられないかもしれないが、「山形県酒田市こあら」という地名が存在しているのだ。
一体どんな由来があるのか。2023年5月9日、Jタウンネット記者は酒田市役所に疑問をぶつけた。
市役所「動物とは関係ない」 。しかし...
総務課の職員によると、酒田市に「こあら」ができたのは2001年4月28日。古荒新田(こあらしんでん、古荒とは「廃田」のことで、これを復旧したことに由来する地名)という場所を含む地域が区画整理によって、こあら1丁目~3丁目になった。
「こあら」の由来は「古荒新田」の読みだが、なぜひらがな表記にしたのか詳しい理由はわからない。ただ、「動物とは関係ない」とのこと。
「町名が平仮名の『こあら』になってから、それに因んでなのか、ロゴマークにコアラのイラストが使われるなど民間の方々が色々やっています」
Googleストリートビューで付近の様子を見てみると、地区内の「こあら動物病院」や「こあらハイツ」、介護施設「コンフォート樫の木」でコアラのイラストが使われていた。
職員の口ぶりは「動物のコアラは関係ない。町名とコアラを引っかけているのは民間だけ」と感じられるようものだった。しかし、そんなはずはない。
というのも市役所に電話する前に、市の指定緊急避難場所にもなっている都市公園「こあら公園」の入り口にある車止めにコアラのイラストが描かれているのを見つけていたのだ。
コアラのマーチ「さくらんぼコアラ」は特別市民
また、2013年6月に「コアラのマーチ」を販売するロッテが行った「7匹のコアラを探せ!キャンペーン」では、"さくらんぼコアラ"がこあらの地名に惹かれて酒田市を来訪。当時の市長だった故・本間正巳氏は「私は酒田市に来てくれると直感していました。なぜなら、酒田市には『こあら』と名のつく町(マチ)、こあら一丁目と二丁目があるのですから」とコメントし、さくらんぼコアラに特別市民証を発行している。
こあら公園やロッテのキャンペーンの話をして、「市も動物のコアラを意識しているのではないか?」と総務課の職員に聞くと......。
「平成13(2001)年当時の酒田市が発行した『古荒新田地区計画』というパンフレットにもコアラのイラストが使われているので、市としても意識はしていたようです」
そのパンプレットを見せてもらうと表紙から中のページまでいたるところでコアラの家族のイラストが使われていた。
そして、冊子の中ではイラストのコアラがこんな会話をしている描写も。
子コアラ「ナゼ"こあら"なの?」
父コアラ「"古荒"と"こあら"をかけたんだって。」
......意識しているどころか、完全にコアラ人気に乗っかろうとしていたのでは!?