「商品の補充が間に合わない」ほど大人気!? 横浜・元町商店街に誕生した「クジラの自販機」がすごかった
様々な物が自販機で買えるようになった今日このごろ。Jタウンネット記者は「もはやどんな自販機を見ても驚かない」と思っていた。
だが、2023年4月にこれを見かけたときは、さすがに二度見してしまった。
ここは、神奈川県横浜市の元町商店街に設置されている24時間営業の無人販売所「くじらストア横浜元町店」。
店名の通り、設置された自販機に入っているのは、「クジラ肉製品」だ。
ラーメンや餃子、シュウマイ、パスタソース、クラムチャウダー、ドレッシング、焼き芋。自販機でいろんな食べ物を買っては味わってきた記者だが、冷凍クジラ肉のそれに出会ったのは初めてだ。
しかも、「ステーキ」や「ベーコン」「本皮」、缶詰など、ラインアップも豊富。クジラ肉製品がこんなにも揃っているところは、見たことがない!
クジラ業界全体を盛り上げるために
くじらストアを運営するのは、捕鯨・鯨肉販売を行う共同船舶(本社:東京都中央区)。同社広報の久保好さんによると、横浜元町店がオープンしたのは23年1月24日。このほか、都内に2店舗、大阪に1店舗の計4店舗の無人販売所「くじらストア」を展開しているという(23年4月現在)。
自販機で販売されている商品は自社製品だけでなく、同社の取引先会社が加工したものや、アイスランドからの輸入品も含まれているという。
「利益を上げるというより、クジラ業界全体を盛り上げるための取り組みと考えているので、自社製品を販売することにはこだわっておりません」(久保さん)
現状、大手量販店でクジラ肉が扱われる機会は少なく、「クジラ製品を買いたくてもどこで買えるのか分からない、という声を耳にすることもよくあります」と久保さん。そんな中で生まれたくじら自販機の売れ行きは、「想定以上に好調」だという。
現在、商品の補充は同社社員が定期的に行っているとのことだが、「くじらストア横浜元町店」では開店以来商品の補充が間に合わないほど。
「将来的には、大手量販店の店頭でもクジラ製品を販売していただけるようになることを目指しています」(久保さん)
ところで、色々と種類があって目移りしそうだが、おすすめの品はどれなのだろうか。
久保さんは、よく売れるのは「ステーキ」と「ベーコン」だとした上で、特におすすめなのは「尾の身」だと教えてくれた。
「くじらの尻尾の付け根あたりのお肉ですね。刺身で食べるんですが、脂がのっていて、マグロでいう大トロのような希少な部位です」(久保さん)
久保さんの話を聞くうちに、記者もすっかりクジラ肉の味が気になってきてしまった。