「子供は汚くてうるさくて面倒で厄介。結婚したけど全然いらない」 そう思っていた私が「母」になったワケ
小さな女の子が、突き飛ばされて...
私は当時、子供が好きではありませんでした。鼻水やヨダレなどで汚なくてうるさくて面倒でやっかいな存在だと感じていたからです。結婚はしていましたが、子供はいらないと思っていました。
だから、危ないとは思ったものの「子供、めんどくさ」という思いが勝ち、知らん顔をしようとしたのです。
その時、小さな女の子が遊んでいたおもちゃを一番大きな男の子が奪い取ろうとしました。女の子が「いやだっ」とおもちゃを抱え込むと、大きな男の子は自分の半分くらいの大きさしかない女の子を突き飛ばして......。
「さすがにダメ!危ない!」
そう思った私が子供たちの元へと行こうとした瞬間、中くらいの男の子が女の子の前に来て、自分よりも大きな男の子に立ち向かい、突き飛ばしたのです。
一番大きな男の子は尻もちをつき、大きな声で泣き出しました。
男の子の泣き声を聞きつけ、2人の女性が驚いたように駆け寄ってきました。大きな男の子のお母さんと、中くらいの男の子のお母さんのようです。
そこへ、一番小さな女の子が、「ママ~」と呼びながら中くらいの男の子のお母さんのもとへやってきました。
中くらいの男の子はヨチヨチ歩きの妹を守ろうと、自分よりも遥かに大きな男の子に立ち向かっていったのだ、と私は気づきました。
妹を守るためなら自分が立ち向かう。そんな男の子のことを凄いと思いました。「どうせ子供なんて...」と思っていた私の考えは、彼の行動で変わったのです。