幻想的な水族館を回っていたら→料理の写真がドーン! 急に現実に戻される「謎すぎ展示」の真意とは
水族館へ遊びに来て、この展示が目の前に現れたら驚いてしまうかもしれない。
こちらはツイッターユーザーのマツナガ(@onikutosakeda)さんが2023年1月18日に投稿した写真。高知県土佐清水市にある水族館・足摺海洋館「SATOUMI」で撮影された1枚に写っているのはウツボの水槽だ。
そして、その上にはなぜか料理の写真が。 添えられている説明文には、ウツボの生態のほかに、こんな一文が書かれている。
「竜串周辺では背開きにし中骨をとり両面を炙ってたたきにしたり、開いて干したものを細く切ってから揚げなどで賞味される。頭をとって開いたものを青空の下で干す風景は、冬の風物詩である」(原文ママ、竜串とは土佐清水市内の地名・名勝)
つまり、写真は「ウツボのたたき」。水槽の中で元気に暮らしているウツボの真上で、調理後の姿を見せるなんて......。
この水族館、いったいどういうつもりなの!?
メインは水槽じゃない!?
Jタウンネット記者が、投稿者・マツナガさんは足摺海洋館「SATOUMI」について取材すると、「館内が本当に綺麗で雰囲気最高なんですよ」と語った。
「幻想的な世界観を歩いていくんですけど、急に調理法でてきたんで『美味しいけど!! 現実!!!』と思って笑っちゃいました。前のカップルも『なんで!?』って言ってておもしろかったです」(マツナガさん)
確かに、水族館で魚や貝を見て「食べたい」と思うことはあるかもしれない。しかし、なぜ水族館側から調理法の紹介を? 1月23日、Jタウンネット記者は同館の館長・新野大(にいの・だい)さんにも話を聞いた。
新野館長によると、飼育している生き物を使った料理を紹介しているのは2020年7月のリニューアルオープン時にできたコーナー「黒潮の恵み」。黒潮によって高知に運ばれる生き物を展示している。
「土佐清水では地元の方が工夫して生き物を料理して食べています。それを紹介しようというコーナーです」(新野館長)
つまり「黒潮の恵み」の目的は、土佐清水の食文化を伝えること。メインは料理のほうなのだ。
水槽の生き物は、料理に使われる水産物が生きているときの姿を見せるために展示しており、地元の人からは「普段食べている魚が生きている姿は中々見られない」と好評なんだとか。また、県外から来た人に生き物だけでなく、地元の食文化も伝えられるメリットもあるという。
また、回遊魚などを展示する「外洋水槽」の近くでも、土佐清水で水揚げされる清水さば(ゴマサバ)を使った料理の写真と解説を設置している。
館内を回っているうちに、お腹がすくことは間違いない。帰りは地元のお店で、地魚料理を満喫したいものだ。