この円安でも値上げナシ! 「千産千消」を実現した千葉・茂原市「大多喜ガス」が強すぎる
600年分のガスが地中に
まず、大多喜ガスの料金が上がっていないというのは事実だろうか。Jタウンネットの質問に、同社総務グループの担当者は次のように答えた。
「家庭用ガス料金が上がっていない事は事実です」
やはり、大多喜ガスのガス料金は上がっていないようだ。
担当者によると、都市ガス会社の多くはガスの輸入価格に応じてガス料金を調整しているが、同社の場合、家庭用ガスについては、主に千葉県産天然ガスを供給しているため、輸入価格の変動を原因とするガス料金の調整を実施していない。そのため、現時点においては、家庭用ガス料金に変化がないのだという。

それにしても「千葉県産天然ガス」とは何だろう? 読者は聞いたことあるだろうか。
大多喜ガスが属する「K&Oエナジーグループ」のコーポレートレポートによると、同グループは千葉県を中心に茨城・埼玉・東京・神奈川県下にまたがる「南関東ガス田」で天然ガス開発を行っている。このガス田は日本最大の水溶性天然ガス田で、同グループの鉱区においては現在の年間生産量×約600年分の天然ガスが埋まっているという(可採埋蔵量)。
「千葉県で天然ガスが産出するのは、上総層群(かずさそうぐん)という地層です。これは新第三期鮮新世~第四期更新世(今から約300万年~40万年前)に海底に堆積してできた、主に砂岩と泥岩からなる地層です。
この砂岩と泥岩の互層中にある地層水にガスが溶けた状態で存在し、ガス層を形成しています」(「K&Oエナジーグループ」コーポレートレポートより)