「夜中に原チャで事故った私に近付いてくるイカツイ男性。『黒塗りスモーク』のセダンから降りてきて『おねーちゃん...』」(兵庫県・女性)
いかつい男が「言うてくれなわからんでぇ」
あっという間の出来事で何が起きたか分かりませんでしたが、気が付くと肘と、靴の脱げた足から大量の血が......。それを見たとたんに急に痛みが現実になり、寒さもあって私は立ち上がれずにいました。
バイクは道路上にあり、車が来たら危険だと分かっていたのですが、私は手で体を支えながら道路の縁石まで這っていき、腰掛けるのがやっとでした。当時は携帯電話もなく、誰にも連絡できず途方に暮れていたら、私の前に黒塗りのセダンが現れました。窓もスモークで黒くしていて、本当に怖かったです。
車は私の方に近付くと、運転席から男性が声をかけてきました。
「おねーちゃん、だいじょうぶか。送ったるから乗っていき」
その人は短髪で、いかつい感じの見た目の人だったので、私は「さらわれるのでは......」と思い、怖すぎて返事ができませんでした。
するとその人は私をお姫様抱っこして後部座席に乗せ、バイクを邪魔にならない場所に移動させてから運転席に戻ってきました。
「家どこや? 言うてくれなわからんでぇ」
「まっすぐか?」
そう聞かれたので「次の信号左です」と答えると、「良かった。しゃべれるやん。家帰ったら病院行きや」と言われ、車は私の自宅へ向かう道を進み始めました。